過食・拒食症、性機能不全、パラフィリア、性同一性障害等が及ぼす精神的な諸問題は、現在大きな社会問題ともなっています。本巻では食欲と性欲という人間の本能に結びついた精神病理を、概念から成因、治療、さらには社会的視点から詳しく解説しました。

目次

■摂食障害
　I.摂食障害概念の歴史的展望
　II.疫学—臨床と一般人口統計
　III.成因論
　　A.生物学的成因
　　B.心理学的成因
　　C.文化社会的成因
　IV.臨床像
　　A.若年発症例
　　B.結婚と摂食障害
　　C.男性例
　　D.摂食障害と人格障害
　V.診断
　　A.診断基準と鑑別診断
　　B.心理テスト
　　C.摂食障害をめぐる評価尺度
　VI.併発症
　　A.精神医学的合併症
　　B.身体医学的合併症—糖尿病など
　　C.身体的検査—内分泌学的動態
　　D.身体的検査—その他の検査異常
　VII.一般診療科における摂食障害
　　A.小児科における摂食障害
　　B.産婦人科における摂食障害
　VIII.治療的接近
　　A.治療総論
　　B.精神分析的精神療法
　　C.行動療法
　　D.認知行動療法
　　E.入院治療
　　F.家族療法
　　G.薬物療法
　IX.学校保健と摂食障害
　X.摂食障害の中長期予後と死亡例
■性障害
性機能不全
　I.性機能と精神医学
　II.分類と臨床像
　　A.性的欲求の障害
　　B.性的興奮の障害
　　C.オルガズムの障害
　　D.性交疼痛障害
　III.治療
　IV.泌尿器科における性機能不全
　V.産婦人科における性機能不全
パラフィリア
　I.総論（概念）
　II.分類と臨床像
　　A.フェティシズム、露出症、窃触症
　　B.窃視症
　　C.小児愛
　　D.性的マゾヒズム、性的サディズム
　　E.服装倒錯的フェティシズム
　III.パラフィリアと人格障害・犯罪
　IV.治療
性同一性障害
　I.概念と臨床の現実
　II.臨床像
　III.診断とアセスメント
　IV.治療
　　A.心理社会的接近
　　B.ホルモン療法
　　C.外科的手術
　V.性同一性をめぐる法的諸問題