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ひきこもり,児童虐待,ドメステイックバイオレンスなど,問題をかかえた家族が増えています.
また,精神医療の分野では,施設医療から在宅ケアへと急速に政策転換が進められており,今後ますます家族の役割が重要になると思われます.そうしたなか,最近の家族看護の考え方は,患者家族が持てる力を発揮し,健康な生活ができるように,予防的・支持的・治療的な援助を行うことを目指しています.
本書は,そのような家族看護の実現に向けて,具体的・実践的な知識を豊富に収載しています.
目次
第1章 精神障害者の家族と看護
精神障害者とともに生きる家族に対する看護 (野嶋佐由美)
精神障害者の家族がおかれた現状
精神障害者の家族の心理的な体験
家族看護の考え方
第2章 家族を理解するための理論
1.家族システム論 (青木典子)
家族システム論とは
家族システム論に基づいた家族のとらえ方
家族システムの特性
家族システム論と精神科における家族看護
2.構造-機能理論 (長戸和子)
構造-機能理論とは
構造-機能理論からみた家族
精神疾患患者家族への構造-機能理論の応用
構造-機能理論の実践への適用と限界
3.家族発達論 (池添志乃)
家族発達論の基本的な考え方
家族発達論からみた家族へのアプローチの重要性
家族看護における家族発達論を活用することの意義
4.家族ストレス対処理論 (長戸和子)
家族ストレス対処理論とは
精神疾患患者とその家族
理論の実践への適用と限界
5.家族コミュニケーション理論 (池添志乃)
コミュニケーションの構成要素
コミュニケーションの基本的原則・基礎概念
家族の機能的なコミュニケーション
家族コミュニケーションヘの看護者からのアプローチ
コミュニケーション理論を活用することの意義
6.家族セルフケア理論 (野嶋佐由美)
家族のセルフケア
家族セルフケア行動
家族セルフケア能カ
第3章 家族機能のアセスメントツール
1.ジェノグラム(家系図)とエコマップ (杉浦仁美,上別府圭子)
ジェノグラム
エコマップ
2.フリードマン家族アセスメン トモデル (尾関志保)
フリードマン家族アセスメントモデルとは
フリードマン家族アセスメントの構成とデータ収集方法
アセスメント内容
フリードマン家族アセスメントモデルをわが国で活用するにあたって
3.カルガリー家族アセスメント・インターベンションモデル (小林奈美)
本モデルの特徴
用語の定義
考え方の基本となる諸理論
家族アセスメントモデル(CFAM)
家族インターベンションモデル(CFIM)
4.精神科看護における家族アセスメントの留意点 (上別府圭子)
まずは関係を築く
特定の家族と結託しない
家族病因論を繰り返さない
第4章 心理療法的アプローチ
1.家族療法の種類 (上別府圭子)
家族療法各派の成立と比較
1990年代以降の欧米の家族療法
2.ナラティブ・アプローチ (上別府圭子)
社会構成主義とナラテイブ・アプローチ
3.病名の告知と家族 (上別府圭子)
治療の過程としての病名告知
「統合失調症」の病名告知
病名告知と病状説明
4.家族心理教育と家族教室 (上別府圭子)
家族心理教育とは
家族心理教育の沿革
わが国の家族心理教育の特徴と家族教室
「家族教室」運営上の留意点
統合失調症患者の家族への心理教育
うつ病患者の家族への心理教育
摂食障害患者の家族への心理教育
高齢者を介護する家族やその他の家族への心理教育
第5章 ケアにおける援助ネットワークと社会的支援
1.援助ネットワークと家族ケア (徳永雅子)
ネットワークとは
チームとは
各機関の特徴と役割の違い
精神保健福祉にかかわる専門職等の広がりと関与
ネットワーク・セラピーの考え方
チームアプローチの展開について
ケースカンファレンスとネットワークミーティング
チームアプローチと家族ケア
2.家族への社会的支援-社会資源の活用への援助 (式守晴子)
社会資源
家族の社会資源活用の課題
住まいに関する援助
第6章 精神の危機と家族ケア
1.統合失調症
家族ケアプログラム (田上美千佳)
統合失調症患者の家族をケアする必要性
統合失調症患者をもつ家族への心理教育プログラム
日常業務における家族へのケア
まとめ-統合失調症患者の家族ケアの目標
家族理解と対応の実際 (田上美千佳)
家族のおかれた状況
家族ケアの実際とポイント
まとめ-今後の展望
2.ひきこもり
家族ケアプログラム (吉田光爾)
「ひきこもり」における家族支援
支援の方法
家族理解と対応の実際 (原 綾子)
事例紹介
事例から考えるひきこもりの相談のポイント
3.気分障害
家族ケアプログラム (沼 初枝,本堂徹郎,曽根原純子,秋山 剛)
気分障害の治療と家族
気分障害の患者・家族に対する心理的かかわリ
タイダルモデルによるケアプログラムの実際
家族理解と対応の実際 (沼 初枝,本堂徹郎,曽根原純子,秋山 剛)
当科における気分障害患者の心理教育-服薬指導グループ
事例紹介
4.人格障害
家族ケアプログラム (森 美加)
人格障害とは
人格障害の家族に対するアプローチの動向
家族を取り入れたBPD治療プログラムの実際
BPD治療における家族の位置づけ-近年の傾向
家族理解と対応の実際 (林 直樹)
はじめに-人格障害の病理と家族
事例紹介
事例についての考察
家族介入のポイント
5.アディクション
家族ケアプログラム (徳永雅子)
アデイクションとは
アディクション問題の経緯
家族のケアプログラム
家族理解と対応の実際 (徳永雅子)
アディクション家族の病理を理解する
共依存症とイネイブラー(支え手)
アデイクション家族への対応
事例紹介
6.摂食障害
家族の援助,家族会 (大河原昌夫)
摂食障害と家族
家族に求めてはならないこと,求めうること
家族会の意味
家族理解と対応の実際 (大河原昌夫)
事例紹扮
「マーサウの会」のかかわリ
7.思春期
家族ケアプログラム (桜田信敏,市川宏伸)
入院前のかかわリ
入院後のかかわリ
家族理解と対応の実際 (瀬戸山恵美子)
事例紹介
患者・家族の経過と看護の実際
8.虐待
家族ケアプログラム
子育て機能の低下と育児伝承の欠如
児童虐待の発見や通告は家族ケアの第一歩
家族ケアプログラム(徳永試案)
家族理解と対応の実際 (徳永雅子)
虐待の家族へのかかわり方と対応の基本
「しつけ」という名の虐待
事例紹介
9.認知症(痴呆)
家族ケアプログラム (立石(松浦)彩美)
認知症患者の家族への支援の必要性
家族のためのケアプログラムの種類
入院している認知症患者の家族への支援
海外・日本における介護者への介入研究
今後の認知症患者の家族ケア
家族理解と対応の実際 (久保文子)
事例紹介
第7章 家族研究の動向と展望
家族に関する研究の動向と今後の展望 (大島 巌)
研究対象となる精神保健問題と家族問題の特定
家族ケアにかかわる研究論文の動向
家族ケア研究の現状と課題
索引
Nakayama Shoten Co., Ltd.