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精神科薬物療法において患者の服薬アドヒアランスを良好に保つために看護師が知っておくべき知識として,向精神薬の特徴や使い方,副作用などをわかりやすく説明した.
特に副作用については,服薬アドヒアランスを低下させる大きな要因となることから,詳しく解説し,アペンディックスとして副作用一覧も収載した.
さらに,医師,看護師,薬剤師,患者それぞれの視点から,チームとして薬物療法を実践するための役割も解説した.
目次
第1章 向精神薬概説
1 向精神薬とは何か-その発見から臨床導入まで (渡辺雅幸)
向精神薬とは
バルビツール酸系の睡眠薬と各種身体療法
本格的向精神薬の開発-躁病へのリチウムの効果の発見
統合失調症の治療薬-抗精神病薬の発見
うつ病の治療薬-抗うつ薬の発見
抗不安薬の開発
覚せい剤の開発
向精神薬のその後の発展
2 向精神薬の持つ特性 (渡辺雅幸)
向精神薬は単なる対症療法にすぎないのか
生物学的病態に作用している可能性
3 向精神薬の分類 (渡辺雅幸)
抗精神病薬
抗うつ薬
気分安定薬
抗不安薬
睡眠薬
抗てんかん薬
覚せい剤(精神刺激薬)
抗認知症薬
4 向精神薬療法の意義 (渡辺雅幸)
精神科医療への貢献
精神障害の生化学的側面の解明への寄与
第2章 向精神薬の効果に影響する諸要因
1 薬物療法に影響する患者側の要因 (岡島由佳,上島国利)
はじめに
患者側の心理的要因
服薬を妨げる非心理的要因(社会的要因)
疾病や薬物療法への理解
精神症状による要因
そのほかの要因
抗精神病薬治療下主観的ウェルビーイング評価尺度
2 薬物療法に影響する治療者側の要因 (岡島由佳,上島国利)
インフォームド・コンセント/服薬状況の把握
薬物療法に対する知識や自信がない
薬物療法に投影される治療者の心理
3 薬物療法に影響する薬剤や処方の要因 (岡島由佳,上島国利)
薬剤の形状,味,臭いなど
服薬量や服薬回数が多い
副作用が強い
多剤併用と単剤
従来薬と新薬
プラセボ効果
4 向精神薬と精神療法 (岡島由佳,上島国利)
薬物療法の精神療法的側面
薬物療法と特殊精神療法の併用
5 ドラッグアドヒアランス(服薬指示遵守)を良好に保つ方策 (岡島由佳,上島国利)
看護の果たす役割
第3章 各向精神薬の特徴と使い方
1 抗精神病薬 (吉益晴夫)
抗精神病薬の分類
抗精神病薬の適応
抗精神病薬の使用法
抗精神病薬の副作用
患者への説明
剤形と服用時間の選択
非告知投与と拒薬
患者の特性別にみた適応
相互作用
中毒症状
2 抗うつ薬 (吉益晴夫)
抗うつ薬の分類
抗うつ薬の適応
抗うつ薬の使用法
抗うつ薬の副作用
患者への説明
患者の特性別にみた適応
相互作用
中毒症状
3 気分安定薬 (吉益晴夫)
気分安定薬の種類
気分安定薬の適応
気分安定薬の使用法
気分安定薬の副作用
患者の特性別にみた適応
相互作用
中毒症状
4 抗不安薬 (幸田るみ子,上島国利)
はじめに
抗不安薬の歴史と分類
BZ系抗不安薬の薬理作用
BZ系抗不安薬の適応
BZ系抗不安薬の副作用
アザピロン系抗不安薬の薬理作用と副作用
SSRIの抗不安作用と副作用
そのほかの抗不安作用を有する薬
おわりに
5 睡眠薬 (幸田るみ子,上島国利)
はじめに
睡眠薬の歴史
睡眠薬の分類
睡眠薬の薬理作用
睡眠薬の副作用
不眠の治療
6 精神刺激薬 (磯野 浩)
作用機序
種類と各薬剤の特徴
与薬における留意点と説明のポイント
そのほか
7 抗酒薬 (磯野 浩)
作用機序
種類と特徴
与薬における留意点
説明のポイント
8 抗認知症(痴呆)薬 (磯野 浩)
認知症とは
認知症と薬物療法
作用機序
種類と特徴
与薬における留意点
説明のポイント
そのほか
9 抗パーキンソン薬 (磯野 浩)
パーキンソン病とは
作用機序
種類と特徴
与薬における留意点
説明のポイント
第4章 向精神薬の副作用とアセスメントのポイント
1 服薬初期に起こる副作用
行動毒性 (中島振―郎,渡邊衡―郎)
行動毒性とは
臨床症状
ケアの視点
錐体外路症状(EPS) (中島振―郎,渡邊衡―郎)
錐体外路症状とは
分類
危険因子,原因薬剤
治療
ケアの視点
EPS:アカシジア (志田博和,渡邊衡―郎)
臨床症状
疫学
病態生理
治療
ケアの視点
EPS:急性ジストニア (志田博和,渡邊衡―郎)
臨床症状
疫学
原因薬剤
病態生理
治療
ケアの視点
悪性症候群 (高畑圭輔,渡邊衡―郎)
疫学
臨床症状
原因薬剤,病態生理
治療
ケアの視点
治療終了後の注意点
鑑別すべき副作用-セロトニン症候群
横紋筋融解症 (高畑圭輔,渡邊衡―郎)
横紋筋融解症とは
臨床症状,検査所見
治療,看護
2 維持期に起こる副作用
不整脈 (中島振―郎,渡邊衡一郎)
向精神薬が心血管系に与える影響
不整脈を予防するために
治療
ケアの視点
麻痺性イレウス (中島振―郎,渡邊衡一郎)
疫学,臨床症状
原因薬剤,病態生理
治療
高プロラクチン血症 (高畑圭輔,渡遅衡―郎)
概念
臨床症状
原因薬剤,病態生理
治療
ケアの視点
肥満 (志田博和,渡邊衡―郎)
肥満とは
原因薬剤,病態生理
神経伝達物質との関係
ホルモンとの関係
肥満を予防するために
ケアの視点
水中毒 (志田博和,渡邊衡―郎)
水中毒とは
疫学
原因
臨床症状
ケアの視点
低Na血症時の治療
3 長期服用に伴う副作用
EPS:遅発性ジスキネジア (高畑圭輔,渡遅衡―郎)
臨床症状
危険因子
原因薬剤,病態生理
第5章 チーム医療と薬物療法
1 看護の視点から (櫻庭 繁,久保正子)
看護師による服薬指導の必要性
ノンアドヒアランスの原因
アドヒアランス向上をめざした働きかけ
薬物療法を受ける患者の看護のポイント
アメリカにおける精神科・精神保健看護師の役割
2 医師の視点から (下寺信次,加藤邦夫,三野善央)
はじめに
薬物療法の把握について
医療事故の防止について
服薬の自己管理
まとめ
3 薬剤師の視点から (吉尾 隆)
薬剤師法
アドヒアランスを高めるための服薬支援の必要性
チーム医療における薬剤師の視点
チーム医療における処方管理
薬剤師による薬物療法のチェック
イギリスにおける精神科チーム医療
4 当事者の視点から-処方薬幻想 (倉田めば)
はじめに
「あなたには処方薬を出さない」
最初の1錠はそれだけで多すぎるが,その後は1,000錠飲んでも足りない
精神科はクスリ屋さん
乱用と常用量依存
処方薬依存で入院
最後の1錠
医原病としての処方薬依存
看護師からの贈り物
第6章 精神科薬物療法における看護師の役割 (萱間真美)
はじめに
セルフケア行動と薬物の作用
生活の場面からみる薬物療法
アペンデイックス
① 薬物とその副作用一覧
② ジェネリック一覧
索引
Nakayama Shoten Co., Ltd.