小 計 | 0 円 | ||
消費税 | 0 円 | ||
合 計 | 0 円 |
[絶版となっております]
自分で情報を収集・評価し、医療に対して自らの責任を引き受けようとする「賢い患者」とそれをサポートする医師--英国で長年EBMに携わってきた著者が、パターナリズムからパートナーシップへと変換する医師-患者関係を洞察し、今後の医療のあるべき姿を明示した快著。
医師をはじめとする医療関係者、患者、患者家族必読の書。
目次
推薦のことば
日本語版への序文
寛大なる読者の方々へ——21世紀新しい医療のパラダイム
第1章 医療帝国の興亡--医学的権力の進化論
1.1 かしこい患者
1.2 パワー・バランスの変化
1.2.1 19世紀,患者は現在よりも力を持っていた
1.2.2 20世紀の終わりごろまでに医師は権力を得た
1.2.3 21世紀に,あらゆる専門家は権力を失う
1.3 医学の没落の4つの側面
1.4 知的権威の没落
1.4.1 今や患者は進んで医師に疑問をぶつける
1.4.2 インターネットは消費者に新たな力を与える
1.4.3 医師が「わかりません」と言うことをためらわなくなった
1.4.4 医師にも弱点があることは周知の事実である
1.5 道徳的権威の没落
1.5.1 医師はもはやただの人(善人か悪人かというだけのこと)
1.5.2 科学との蜜月の終わり
1.5.3 科学者が陰謀に荷担する危険
1.5.4 医師のモラルを取り戻す
1.6 官僚的権威の没落
1.6.1 専門職能による自己統制は19世紀に確立された
1.6.2 20世紀に「自己統制」は信用を失った
1.6.3 自己統制を補完するために外部からの規制が導入された
1.6.4 医療の質の外部規制——クリニカル・ガバナンスが始まった
1.6.5 医療費抑制のための追加規制がますます医療専門職への圧力となる
1.6.6 医療費抑制はヘルスケア提供者と医師を妥協させることができる
1.6.7 官僚的権力の失墜と事務処理業務による負担の増加
1.7 カリスマ的権威の没落
1.7.1 恩寵という天賦の才
1.7.2 多くの共同体では医師が聖職者の地位を受け継いだ
1.7.3理想主義的な医学ドラマが医師のカリスマ的権威を大衆に吹き込んだ
1.7.4 リアルな医療ドラマがカリスマを放逐する
1.7.5 医師が自ら神秘のベールを脱ぐ
1.7.6 新しいタイプの治療者が登場してきた
1.7.7 弱い人間の持つカリスマ性
第2章 医師は一日中何をしているのか?
2.1 「よし,今すぐ開胸だ!」
2.1.1 表に見える顔と表に見えない顔
2.2 時計職人としての医師——診断する
2.2.1 疾患の2つのタイプ/2.2.2 医師は,検査を選ぶときには感度と特異度のバランスを考えなければならない
2.2.3 検査結果を解釈するときは,病院と診療所では適中率が違うことに留意せよ
2.2.4 観察者間多様性
2.2.5 MUPS(医学的に説明できない身体症状)
2.2.6 病理学を患者に向かい合うようにすること
2.2.7診断から行動へ
2.3 時計職人としての医師——選択肢を評価する
2.3.1 積極的な経過観察か,積極的な介入か?
2.3.2 選択肢Aをとるか、選択肢Bを取るか
2.3.3 私は正しい質問をしているだろうか?
2.3.4 リサーチ・エビデンスを仕立てる
2.4 仕立屋としての医師——研究結果を患者に当てはめる
2.4.1 19世紀の仕立て
2.4.2 20世紀の仕立て
2.4.3 根拠に基づく臨床実践
2.4.4 患者に絶対リスク減少率を伝える
2.4.5 選好と価値観を統合する
2.4.6 法的側面から見たリスク・コミュニケーション
2.5 助言者としての医師——情報を曲げて伝えないこと
2.5.1 相対リスク減少率と絶対リスク減少率を区別する
2.5.2 患者の意思決定における相対リスク減少率のインパクト
2.5.3 内科医や政策立案者は枠組みによって惑わされることがある
2.5.4 情報を言葉で,数字で,画像で,象形文字で示す
2.5.5 絶対リスク減少率の理解を促進する
2.5.6 人間としての医師
2.6 まじない師としての医師——不安を鎮める
2.6.1 病気によって引き起こされた不安
2.6.2 医学的に説明できない身体症状(MUPS)は不安の原因になったり、不安で悪化したりする
2.6.3 不安があるだけでも患者は症状を引き起こす
2.6.4 不安のマネジメント
2.6.5 臨床実践——それは科学なのか,呪術なのか
2.6.6 呪術の必要性は大きくなってきている
2.6.7 代替医療
2.7 聖ペテロとしての医師——病気かどうかを決める
2.7.1 「疾患を持っていること」と「病気であること」
2.7.2 病気には特権がある
2.7.3 病気には規則もある
2.7.4 本当の病気であるということを証明してもらうために医師の診察を受けること
2.7.5 社会のリスクマネージャーとしての医師
2.7.6 21世紀において,病気であるということはどんなことか
2.7.7 病いとしての不安,治療としての医師
2.8 薬としての医師
2.8.1 患者はさまざまな理由で受診する
2.8.2 「医者と患者とその病気」
2.8.3 聖使徒としての機能
2.8.4 患者たちはときにはゲームに興じなければならない
2.8.5 診察の機能
2.9 治療者としての医師
2.9.1 治すことと癒すことは同義語ではない
2.9.2 疾患を治し,苦痛を癒すこと
2.9.3 医師は薬以上の存在である
2.9.4 すべての医療職が治療者でありうる
2.9.5 医師ではない者も治療者でありうる
2.9.6 自然治癒
2.9.7 癒しの要素
2.9.8 ナラティブ・メディスン
2.9.9 治療者としての患者
第3章 かしこい患者のためのスキルと情報源
3.1 知識
3.1.1 インターネット時代以前の患者の知識
3.1.2 インターネット時代の患者の知識
3.1.3 臨床家と患者は同じ情報源を使うべきである
3.1.4 ヘルスケアの質についての知識
3.1.5 必要条件は満たしているが十分ではない
3.2 知識を吟味するスキル
3.2.1その知識は目的にかなっているか?
3.2.2 誰もが知識の由来を吟味するよう教育されるようになる
3.2.3患者は知識そのものを吟味することができる
3.2.4 患者および患者代表のトレーニング
3.3 診察に備えるためのスキル
3.3.1紙片マニア
3.3.2 患者にとっての全般的な診察スキル
3.3.3自信を持たせる
3.3.4 オンラインによるセカンド・オピニオン
3.3.5 患者は診療をより深く理解したいと望んでいる
3.4 意思決定のスキル
3.4.1患者の状態
3.4.2 患者の価値観が意思決定に影響する
3.4.3患者の価値観と臨床家の価値観は異なる場合がある
3.4.4 C2Pの意思決定
3.4.5 患者が患者を診察すること
3.4.6 医師が別の医師の判断を評価すること
3.4.7 患者から医師へ方向づける意思決定
3.5 決断のスキル
3.5.1それぞれ患者には好みのスタイルがある
3.5.2 すべての患者は情報を与えられなければならない
3.5.3意思決定の方法について合意すること
3.5.4 行動のための情報源
3.6 情報源——患者の旅のためのパスウェイとガイドブック
3.6.1ガイドラインとパスウェイ
3.6.2 ガイドブック
3.6.3患者の旅における十字路と道しるべ
3.6.4 かしこい患者とパスウェイ
3.6.5 患者エキスパート
3.6.6 通訳の必要性
3.7 患者のための教育資源——コーチング
3.7.1トレーニングとコーチング
3.7.2 重大な診察の場面
3.7.3コーチングの利点
3.7.4 コーチングにより焦点を絞った準備をする
3.7.5 ヘルスケア組織によるコーチングの奨励
3.8 患者のための資源——自信と権限
3.8.1無駄のないシステム
3.8.2 権限
3.8.3権限のシンボル
3.9 情報源——患者所有型のインターネット上のカルテ(POWR)
3.9.1患者保持型カルテ
3.9.2 インターネット上に保持されるカルテ
3.9.3所有権
3.9.4 インターネット・カルテは避けては通れない
3.9.5 PING(個人用インターネット・カルテ記載・保護プロジェクト)
3.10 かしこい患者を奨励していくにあたっての倫理的問題
3.10.1情報源を提供しないという選択肢はもはやない
3.10.2 学習障害のある人々
3.10.3脳の疾患により知的能力を失った人々
3.10.4 脳の傷害や暴行を受けたことにより能力を失った若年層
3.10.5 小児
3.10.6 インフォームド・コンセント
第4章 医療の新しいパラダイム
4.1 21世紀の患者——責任を持った賢者として
4.1.1 情報源と責任
4.1.2 診察前の準備と診察後の宿題
4.1.3 診察
4.1.4 「かしこい患者」は,決して新しいものではない
4.1.5 自己管理のために患者に情報と責任を与えること
4.2 21世紀のヘルスケア組織——患者中心の組織
4.2.1 患者に情報を提供すること
4.2.2 よりよいケアへ向けての患者の参加
4.2.3 情報を必要としている時と場所に供給するシステムを開発すること
4.2.4 ケアについての患者の経験を評価し,行動すること
4.2.5 スクリーニング・プログラムは今では,人々はかしこいものなのだということを前提として作られている
4.2.6 21世紀のヘルスケア産業——医薬品の広告
4.2.7 医師が協力的になるよう支援すること
4.3 21世紀の医師——補完的な医師
4.3.1 医師は優れた整備士でなくてはならない
4.3.2 患者の知識を補完すること
4.3.3 人間としての医師
4.3.4 治療に対するインフォームド・コンセントを得るための実践的なガイド
4.3.5 かしこい患者と補完的な医師との協力関係
4.4 意思決定の共有と患者中心のケア
4.4.1 患者中心のケア
4.4.2 ブリストル王立病院事件から学ぶこと
4.4.3 意思決定の共有
「患者は何でも知っている」の道具箱
参考文献
監訳者あとがき--EBM,PUS,そして「患者は何でも知っている」へ
索引
Nakayama Shoten Co., Ltd.