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[絶版となっております]
気分障害の治療は、次々と登場する新薬により一変したかのごとく語られることが多い。しかし本書では、気分障害を心理的、文化・社会的、生物学的な「人の病」として理解する視座を取り戻すこと、そしてあらゆる援助を動員した治療プロセスの正しい位置に薬物療法を置き直すことを主眼とした。さらに初診から治療の終結までの時間軸に沿った診療学として纏め上げ、各種治療法についての項も設けた。
目次
■気分障害--その治療と診断の概説
1.治療--その知と技の世界
2.診断の概説--DSM-IV-TRを中心に
■治療初期--入手する情報と与える情報
1.初期面接で得る情報とその治療学上の意味
2.治療戦略の構築
A.治療の場の決定について
B.薬物療法の導入1--うつ病
C.薬物療法の導入2--双極性障害
D.精神療法による介入
3.治療初期に患者に告げるべきこと
■治療中期--治療抵抗性の原因を探り、解決法を見いだす
1.治療の場の設定と診断の再確認作業
2.薬物療法上の工夫
A.うつ病
B.双極性障害
3.精神療法でさらに必要な作業
■治療終期--再発を予防するために必要なこと
1.薬物療法上の工夫
A.うつ病
B.双極性障害
2.精神療法・サイコエデュケーションなどで必要な作業
■各種治療法
1.臨床精神薬理学
2.家族療法
3.認知行動療法
4.対人関係療法
5.精神分析療法
6.光療法
7.断眠療法
8.修正型電気刺激療法
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老年期の「痴呆」が高齢化社会の重要なテーマとして論じられてきたのに比し、これまで「幻覚妄想」が「老年期の」問題として論じられることはなかった。さまざまな病態を背景にした種々の老年期精神疾患を「幻覚妄想」という切り口でまとめた初の学問的試み。まさに今世紀の精神医学に必要とされる1冊。
目次
■高齢者のおかれた現実−社会環境・身体状況
1.高齢者をめぐる社会と環境
a.高齢化の状況
1.高齢社会−高齢化率の変遷
2.高齢者人口の構成
3.平均寿命と平均余命
b.高齢者の状況
1.高齢者の家族
2.高齢者の経済状況
3.高齢者の就業状況
4.高齢者の社会参加
5.高齢者の主観的意識
2.高齢者の身体機能−その生理的機能と病的機能をめぐって
a.身体の生理的老化現象と老化性疾患
1.高齢者にみる外見上の変化
2.高齢者にみる皮膚の変化と老化性皮膚疾患
3.高齢者にみる歯と口腔の変化と老化性疾患
4.高齢者にみる骨・関節の変化と老化性疾患
5.高齢者にみる感覚機能の変化と老化性疾患
6.高齢者にみる内臓諸器官・代謝・生理的機能の老化と老化性疾患
b.高齢者の健康と医療
1.高齢者の有訴者率
2.高齢者の健康意識
3.高齢者の受療と死因
c.高齢者の介護状況
■老年期の幻覚妄想
1.老年期の幻覚妄想をめぐって
a.老年期の幻覚妄想
1.老年期の幻覚妄想とは
2.多彩な老年期の幻覚妄想状態
3.精神疾患分類のなかでの老年期の幻覚妄想
b.幻覚
1.幻覚の定義
2.幻覚の種類
3.幻覚性疾患
c.妄想
1.妄想の定義
2.妄想形式
3.妄想主題と妄想内容
4.妄想性疾患
d.妄想論について
2.老年期の幻覚と妄想−歴史と概念
a.ドイツ語圏での研究史
1.遅発精神病性障害の概念と展開
2.パラフレニーをめぐって
b.英語圏での診断概念
c.わが国における遅発精神病性障害の理解
d.診断基準にみる遅発精神病性障害
3.老年期の幻覚妄想と脳病変
a.脳器質性精神病概念の成立過程
b.器質性幻覚妄想の一般的な特徴
c.幻覚妄想の出現頻度と疾患親和性
d.脳の病変局在と幻覚妄想
1.後頭葉と幻覚(幻視)
2.側頭葉と幻覚
3.脳幹性幻覚とナルコレプシー
e.幻覚と脳局在性病変にかかわりが想定される疾患
1.特発性Parkinson病
2.Lewy小体を伴う痴呆
f.老年期痴呆と幻覚妄想−脳局在性病変とかかわりの乏しい幻覚妄想
1.一般的な事項
2.痴呆に親和性のある幻覚妄想
3.Alzheimer型痴呆の脳病変と幻覚妄想
4.脳血管障害の脳病変と幻覚妄想
g.意識障害(せん妄)と幻覚妄想
1.痴呆性疾患−特に脳血管性痴呆に伴うせん妄と幻覚妄想
2.せん妄の遷延化と脳病変
■幻覚妄想を伴う老年期疾患とその治療構造
1.遅発性パラフレニー−症例を中心に
a.症例提示
b.症例の検討
c.考察
1.遅発性統合失調症から遅発性パラフレニー・接触不良性妄想症
2.遅発性パラフレニーをめぐる論争
3.遅発性パラフレニーの定義
4.遅発性パラフレニーの精神病理
2.皮膚粘膜幻覚妄想症(皮膚寄生虫妄想,口腔内セネストパチー)あるいは身体型妄想性障害
a.セネストパチーについて
b.身体型妄想性障害
c.心気症との関連
d.皮膚寄生虫妄想に関する歴史的経緯
e.ウェブサイトより−症例にかえて
f.疫学
g.発症年齢と性別
h.発症から初診までの期間
i.受診行動
j.診断
k.教育歴・職業
l.家族関係・社会状況
m.病前性格と遺伝負因
n.発症のきっかけ
o.皮疹の有無
p.症状
q.虫の種類,大きさ,色
r.虫と身体部位
s.感応状態
t.経過・予後
u.治療
v.口腔内セネストパチーについて
w.今後の問題点,病態との関連で
3.Charles Bonnet 症候群
a.定義
b.疫学
c.症状
d.病態
e.治療
4.老年期の幻覚妄想の治療構造
1.個人と社会
2.個人の内部構造
3.老年期の幻覚妄想
4.遅発性パラフレニーの疾病構造
5.皮膚粘膜幻覚妄想症の疾病構造と治療構造
6.Charles Bonnet 症候群の疾病構造と治療構造
7.疾病構造から治療構造へ
Nakayama Shoten Co., Ltd.