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女性の閉経後生存年数が格段に延びた現代,更年期医療の果たす役割は大きい.しかし患者の訴えは多岐にわたり,その背景も加齢によるホルモン動態の変化から心理的要因,環境や生活習慣に根ざす因子まで多様であるため,この領域に携わる医療者には単にマニュアル化した手法ではなく,包括的に問題点を分析すると同時に個別的対処もできるよう,十分な態度・知識・技能をもって診療にあたることが求められている.この課題に長年取り組んできた医療者の培った診療のエッセンスを満載した本書は,まさにこの要求に応える一冊といえよう.
目次
●カウンセリング
更年期は人生再生のとき——「私が変わります」の受発色(じゅ・はつ・しき)革命を導く対話医療
更年期医療における患者との対話
更年期にはなぜカウンセリングが重要なのか
心理社会的要因からみた更年期障害のカウンセリング
更年期医療は聴くことから
聴き上手な更年期医療
更年期障害とカウンセリング——薬物療法の限界を補う効果について
外来診療における更年期患者の問診のコツ
更年期不定愁訴の治療における心理療法のコツ
更年期うつのカウンセリング——人生の見直し作業を促す
初診時に見逃さないためのうつ病の見分け方
心身医学からみたカウンセリングのコツ
カウンセリングのコツ——更年期障害患者の心理社会的因子
更年期以降のセクシュアリティ——性活動も視野に入れた対応を
更年期における栄養ケア・マネジメントの重要性
検査とカウンセリング——マルチプルリスクファクターを評価する
更年期女性への対応——女性外来における看護職の役割
ライフコースを重視した更年期医療のカウンセリング
●検査・診断
医療施設の実情に合わせた更年期医療のコツ
更年期障害——やさしい診断法のコツ
更年期障害の病態を見分ける——問診時の留意点
更年期における諸症状の鑑別診断——その重要性
注意すべき鑑別診断と検査法——他疾患の好発時期であることも念頭に
更年期医療におけるvaginal health indexの活用——腟の健康指数でHRTの効果を判定する
HRTと乳癌検診のコツ
HRTと乳癌——リスクと検診
HRTと乳癌——乳癌発症リスクと乳房管理について
閉経後ホルモン療法における発癌リスクの説明とスクリーニングのあり方
骨粗鬆症検診の落とし穴——前腕骨と腰椎BMDの差など
骨粗鬆症と鑑別する疾患——原発性,続発性骨粗鬆症など
更年期女性の骨量減少症をいかにして見いだすか
自然発症早発閉経の診断と患者のライフスタイルに沿った管理法
更年期外来における脂質代謝の評価と対応
更年期自律神経失調症の診断と治療
更年期障害と更年期うつ——いかに鑑別し,重症度を見極めるか
更年期外来における精神症状の評価
更年期の不定愁訴と精神疾患との鑑別
更年期障害評価法としての簡略更年期指数
人間ドックや節目検診時における更年期指数の積極的活用——更年期障害とうつ状態への早期対応のために
●治療
女性にやさしいこれからの更年期医療
更年期障害の病因からみた治療法——やさしい診断法選別のコツ
更年期障害に対する治療法の選択
更年期医療におけるインフォームドコンセント
診療所における現状——外来総数の1割を占める更年期障害を訴える患者への対 応
クリニック診療での落とし穴——多彩な受診者背景を考慮した治療の必要性
私が担当している更年期外来——月1回の外来でも患者は集まる
更年期障害患者のグループ治療の試み——更年期茶話会
更年期障害の治療に果たす抗ストレス療法の役割
私が中高年外来で行っている治療の特徴——非薬物療法における工夫
中高年女性における性機能障害治療のポイント
私が行っている萎縮性病変の治療——快適な日常生活のために
望ましいホルモン補充療法を考える(望月 善子)
これからのHRTのあり方——悪影響のない施行のために
次世代のHRT——患者に応じた治療法選択のために
HRTはそんなに悪い治療なのか?
エストロゲン少量漸増投与法——ERTのコンプライアンスを高めるために
HRTの投与方式における問題点——持続的投与法と周期的順次投与法
周期的(間欠的)療法——連続療法より安全か?
低用量HRTを効果的に施行するために
エストロゲンとSERM併用療法——大きな可能性と待たれるエビデンスの蓄積
ラロキシフェンに期待される治療効果と注意すべき点
perimenopause(更年期周辺期)におけるHRTの工夫——不正出血の防止
HRTのコンプライアンス向上のために必要なこと
HRT中の脱落例を防ぐ工夫
経口薬と経皮薬を使い分ける
Alzheimer病に対するエストロゲン,黄体ホルモンの効果
更年期女性の不定愁訴に対するHRTを100%成功させるコツ
HRTはいつまで続けるか?——年齢に応じた治療法の違い
私が行っているHRT——何のために行うかを明確に
HRT中に発生した子宮体癌にどう対処するか
子宮筋腫のある患者へのHRTにおける注意点
HRTで改善しない更年期の諸症状に対する併用療法の実際
日本人女性の更年期障害に対するHRTと漢方療法の効果の差異
更年期障害に対する漢方方剤と併用薬の工夫
更年期女性の診療へ漢方療法を組み込むコツ
更年期障害に対する漢方療法——処方にあたっての留意点
更年期障害以外の更年期疾患に対する漢方療法の有効性と限界
骨塩量減少予防としての内科的治療——更年期女性のQOL向上を目指して
閉経早期骨粗鬆症における治療のコツ
更年期患者における閉経後骨粗鬆症の予防と治療
更年期における骨粗鬆症の診断,治療そして管理
心身医療(心身医学的治療)の種類と適用のコツ
更年期外来におけるうつの診療——うつのプライマリケア
不定愁訴の内容別治療のポイント
更年期不定愁訴に対するE3製剤を基本とした治療のコツ
HRTと漢方療法の適応——上手に使い分けて愁訴を軽減させる方法
更年期うつとその取り扱い——薬剤に依存しすぎない治療を
●生活指導
更年期医療における予防医学——中高年以降の健康管理に必要な知識と指導
中高年女性のQOL向上のための提言
更年期医療における生活指導の工夫点
食生活指導——サプリメントを含めた更年期の栄養問題解決に向けて
更年期における食事指導——骨粗鬆症と高脂血症予防の食事
骨粗鬆症予防のためのカルシウム摂取指導のコツ
運動(身体活動)で更年期は乗り越えられるか
更年期からの健康維持・増進に適した運動とは
更年期腰痛症対策——治療よりも大切なのは予防である
中高年女性と肥満——性差を中心に
性差に注目した生活指導
尿失禁に対する行動療法のキーポイント
地域における健康教室運営法——女性の健康意識を高めエンパワーを目指す
更年期外来における諸問題——家庭,職業,独身者の性などについて
更年期うつ患者に対する心理指導
InBodyによる体成分組成分析を活用した,運動をはじめとする生活習慣改善の勧め
●他科との連携
きめ細かな他科との連携の重要性——患者にとって適切な診療の提供のために
更年期医療——内科の立場からの提言
更年期医療から女性総合診療へ
カウンセラーの落とし穴とコーディネーションの重要性
コレステロールは薬で下げたほうがよいか
ときどき血圧が上がるのは大丈夫か
更年期症状を主訴として来院し,他科(内科)疾患が診断される場合(糖尿病,肝機能障害)
更年期女性の動悸とその対処
更年期女性の胸痛とその対処
年期にみられる腰痛の鑑別と治療
男性更年期は夫の更年期——互いの理解を深めQOL向上を目指そう
Nakayama Shoten Co., Ltd.