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古代エジプトにまで遡った「糖尿病」の起源,病名の由来,肥満,グリコーゲン,代謝病など糖尿病と関連した事柄を糖尿病学の権威が一つひとつ丁寧に追求し,細部にわたって語り尽くしました.興味の尽きることなく学識を深めていく姿勢には感銘を受け,医学者として,医師としてあるべき姿が見えてきます.糖尿病と向き合うすべての人の関心を引く一冊.
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目次
第一章 糖尿病物語
1 糖尿病? 古代エジプトにもあったのか(パピルス・エベリス)
2 古代エジプトの医学
3 ディアベテス(Diabetes〈糖尿病〉)というグレコ・ローマ医学の新病名
4 ディアベテスは誰が使いはじめたか
5 日本における「糖尿病」を表す用語の変遷
6 ペルガモンの遺跡に立ちて
7 甘い尿、甘い血液
8 卓越した臨床観察者、ドブソンがみた糖尿病
9 肝臓が糖をつくる
10 膵の内分泌
11 メーリングとミンコフスキーの実験的糖尿病
12 バンティングとベストの膵島における解剖学的分離
13 「膵」という国字
アルテス・リベラーレス(自由学芸)国字—和製漢字
膵という国字の出現
「すべて肉」とは
14 糖尿病—クリニカル・ステージをめぐるコメント
過去と現在
糖尿病のクリニカル・ステージ
糖尿病という概念の重層性(1)—綜括概念としての糖尿病
糖尿病という概念の重層性(2)—クリニカル・ステージとしての糖尿病
糖尿病という概念の重層性(3)—成因に基づく病型の名としての糖尿病
15 血糖とは何だろうか?
1 血糖としてのD-グルコース—糖尿病が合併症を伴うそもそもの根據
光合成とバイオマス
「山青く水清き」国へ
糖化反応、メイラード反応
「木の気持ちになって」
2 D-グルコースのさまざまなポリマー(なぜD-グルコースだけが自然界に多量に存在するのか)
糖におけるD配置—本態性五炭糖尿症を振り返って
なぜD-グルコースだけが抜きん出て多量なのか
セルロースは通常エネルギーの貯蔵源ではあり得ない
アミロースとグリコーゲン
3 グルコースとトレハロースの対比
二つの王者たち
必然的な選択—トレハロースとスクロース
昆虫とトレハロース
単糖のなかでグルコースが脊椎動物によって選択された理由
4 血糖の起源とナメクジウオ
血糖の起源とナメクジウオへの興味
ナメクジウオの生活史
大野乾博士による「遺伝子重複による進化」説
第二章 肥満の医学と美学
1 まず肥満症を一瞥する
「病草紙」の肥満女性
西郷隆盛の恰幅
2 BMIではどうして身長の自乗で割るのか—ケトレーをめぐって
3 美の意識—「自然な」肥満と「不自然な」肥満
4 先史時代の裸像とルネッサンスの裸像
5 肥満の二つのタイプ—内臓脂肪型と皮下脂肪型
6 相撲にみる日本の美意識
7 肥満と寿命との関係—ことに相撲力士の寿命について
8 中国史にみる美しい女性
9 「メタボ」論議の一つのポイント—「シンドローム」とは何だろうか
10 文明と「糖尿病ワールド」
11 「死の四重奏」をめぐって
第三章 グリコーゲン物語
1 グリコーゲン病と内科臨床の知
2 ファン・クレベルトとグリコーゲン病�型
コラム「グリコーゲン病:分類と病型」
3 フォン・ギエルケとグリコーゲン病�型
4 なぜフォン・ギエルケ病でグリコーゲンが溜まるのか—コリー一門の研究の卓越した展開
5 グリコーゲンの構造
6 グリコーゲン代謝—ことに合成過程の解明まで
7 筋肉のグリコーゲン—マッカードル病
8 新たな筋グリコーゲン病—PFK欠損症(垂井病)
9 静かな決闘、悲しいエピソード
10 リソソーム病としてのグリコーゲン病�型
11 F-2,6-P2の発見をめぐるエピソード
第四章 代謝病の周辺
1 代謝の道筋の解明と医学部出身者—ノーベル賞科学者の貢献をめぐるコメント
代謝の原理は共通
象徴としてのノーベル賞
生化学者の学統
医学部出身者と生化学
2 カロリンスカのL教授からの手紙をめぐる感想—内科学における分化と綜合
カロリンスカからの手紙
専門領域の分化とその綜合について
3 「明日」の医師像
歴史的な一考察
「医は仁術なりや」
市民社会のストイシズム
臨床家に適した資性について
プロフェッショナルとして精神
4 医学思想としての「扶氏医戒」
洪庵と玄真
通訳の貢献—蘭書和解御用 馬場佐十郎
フーヘランドの熱き受容
医学思想としての「医戒」
5 年賀の季節に憶い出す—ウェルナー症候群の男性からの賀状
6 震災後の真情
無常は無常、人生は人生—親しきものとの訣れ
晩秋静思記
7 ぜんりつせん
8 謎とき「天満の子守歌」
9 洪庵と諭吉—私の読書日記から
梅溪昇『緒方洪庵と適塾』
中崎昌雄『福沢諭吉と写真屋の娘』
10 「臨床の知」と「科学の知」、ふたたび
Nakayama Shoten Co., Ltd.