腫瘍の診断において中心的役割をつとめる病理診断は，画像医学の進歩とともにその重要性を増している．本書では，病理医，臨床医が互いに理解を深められるよう，病理診断の基本を解説．また，鑑別診断の章では疾患別にフローチャートを用意して，鑑別すべき病理像も豊富に掲載し，病理医だけでなく，臨床医にも活用しやすい，実用のための書籍となっている．

シリーズ詳細　書評

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目次

1章　病理診断の流れとポイント　（井村穣二，藤盛孝博）

2章　診断のための基本知識
　上部消化管癌取扱い規約における病理診断の概説
　　食道癌取扱い規約と病理　（大倉康男）
　　胃癌取扱い規約と病理　（落合淳志）
　胃癌生検の問題点　（菅井　有，上杉憲幸）
　上部消化管癌の細胞診　（伊藤智雄，柳田絵美衣，塚本龍子）
　上部消化管癌と粘液形質　（伴　慎一）
　上部消化管癌診断の実際
　　EMR/ESD標本の取扱いと病理診断　（二村　聡，大石　純，塩飽洋生）
　　EMR/ESD標本の病理診断，その周辺
　　　追加治療の検討に必要な組織所見と評価方法　（大倉康男）
　　　脈管侵襲の精度管理　（河内　洋）
　　　組織像からみた悪性度診断　（新井冨生，相田順子，田久保海誉）
　Topic　p53染色陽性の消化管上皮増殖疾患診断上の位置づけ　（藤盛孝博）
　消化管癌の病期分類　（円城寺　恩，小嶋一幸，杉原健一）
　上部消化管癌の内視鏡診断
　　標準的な食道癌・胃癌の診断学　（槇　信一朗，高木靖寛，八尾建史）
　　NBIの基礎と病理　（佐野　寧）
　　NBI拡大観察による咽頭・食道癌の診断と病理　（青山育雄，森田周子，武藤　学）
　　NBI拡大観察による胃癌の診断と病理　（菊池大輔，飯塚敏郎，貝瀬　満）
　化学療法に関連する病理診断　（谷口浩也，朴　成和）
　カルチノイド腫瘍　（市川一仁，冨田茂樹，藤盛孝博）
　GIST　（廣田誠一，塚本吉胤，磯崎耕次）
　上部消化管リンパ腫　（稲垣　宏，楠本　茂，片岡洋望）
　テクノロジーの進歩と組織発生から遺伝子診断まで　（田中文明，主藤朝也，森　正樹）

3章　疾患の概要と鑑別診断
　食道癌および関連疾患
　　良性腫瘍と非腫瘍性病変の病理診断　（小野真史，鬼島　宏）
　　GERD，NERD，REの内視鏡と生検診断　（鼻岡　昇，上堂文也，飯石浩康）
　　Barrett食道　（星原芳雄，藤盛孝博）
　　Barrett腺癌　（小山恒男）
　　上皮内腫瘍－扁平上皮系　（和田　了）
　　特殊な悪性腫瘍　（八尾隆史）
　　食道癌の外科療法と化学放射線療法　（加藤広行，中島政信，菅原　学）
　胃癌および関連疾患
　　Helicobacter pylori胃炎の病理学　（山本智理子，加藤　洋）
　　non-Helicobacter pylori胃炎の病理学　（永田耕治）
　　非腫瘍性病変－胃潰瘍　（江頭由太郎）
　　良性上皮性腫瘍　（九嶋亮治）
　　悪性上皮性腫瘍　（池上雅博）
　　悪性上皮性腫瘍，その他　（牛久哲男，深山正久）
　　胃巨大皺襞の鑑別診断　（藤田昌宏）
　　Ⅱc病変の鑑別診断　（菅井　有，上杉憲幸）
　　腺癌と外科・化学・放射線療法　（稲田高男，五十嵐誠治）

4章　症例の実際
　　症例1　胃底腺型胃癌　（八尾隆史，上山浩也）
　　症例2　表層拡大型胃癌　（三戸岡英樹，堀　公行）
　　症例3　胃癌（いわゆるひとかき癌）　（柏木亮一，藤盛孝博，田畑文平）
　　症例4　咽頭癌　（藤尾　誓，曽我忠司，西上隆之）
　　症例5　胃癌，食道癌　（荒尾　潤，小嶋志之）
　　症例6　食道扁平上皮癌　（中尾龍太，柳澤昭夫）
　　症例7　食道悪性黒色腫　（市川一仁，赤松郁夫，長谷川　匡）
　　症例8　Barrett食道腺癌　（中尾龍太，柳澤昭夫）
　　症例9　十二指腸悪性リンパ腫　（津田能康，前山倫子，鹿嶽佳紀）
　　症例10　1cm以下の十二指腸早期癌（0-Ⅱa）　（小野里康博，伊藤秀明，柿崎　暁）

参考文献

索引