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医療訴訟が他人事でなくなった昨今,医師は何をどう備えるべきか.本書は,実際に会った40ケースを医師と弁護士が読み解き,法と医療の関係を解説した,医師のための訴訟リスク対策のテキスト.判例だけではわかりにくい事件前後の経過の要約を当事者目線で綴り,イラストで概略を押さえた.医療者が知っておきたい裁判や医療訴訟の基礎的な知識も弁護士がわかりやすく解説.
目次
はじめに
Part I 医療訴訟でおさえておきたい基礎知識
Chapter 1 医療事故とは
1 医療事故? 医療ミス? 医療過誤?
1 医療事故の分類
医療行為そのものかどうか
作為型か不作為型か
形式ミスか裁量違反か
2 医療過誤と医療水準
3 医療過誤と因果関係
因果関係の判断基準
因果関係がなくても損害賠償責任が認められる場合
2 医療者側に求められる説明義務
1 インフォームドコンセント
2 判例における説明義務の程度
3 厚生労働省指針
4 説明義務違反による損害の範囲
5 最高裁判所が説明義務違反を認めた事件
3 医療事故の賠償責任を負うのは誰か
1 責任追及の対象
2 損害賠償責任の種類
不法行為責任
債務不履行責任
関与者が複数の場合
具体的な例
3 連帯責任
4 責任の種類による違いの有無
5 保険会社の立場
6 医療者どうしの求償関係
Chapter 2 医療過誤を起こしてしまったら
1 目指すことは何か
1 医療過誤による法的責任の種類
2 医療過誤を起こした場合の対応
2 まず,すべきことは何か
1 事実経過の確認,原因の究明
2 経緯の説明
3 謝罪
4 保険会社・医師会への連絡
5 マスコミ対策
3 刑事裁判について
1 刑事裁判と民事裁判
2 医療過誤に関する犯罪名
3 刑事裁判の流れ
4 行政処分について
5 医師賠償責任保険の仕組み
1 保険の仕組み
2 賠償責任保険の種類
3 保険の役割
6 無過失補償制度
1 無過失補償制度とは何か
2 無過失補償制度の具体例
予防接種健康被害救済制度
医薬品副作用被害救済制度
産科医療補償制度
7 損害賠償額の計算方法
1 計算方法
実費
休業損害,逸失利益
慰謝料
弁護士費用
遅延損害金
2 過失の程度と損害との関係
損害賠償額の内訳
3 説明義務違反の損害
8 過失相殺
9 金額的に折り合いがつかない場合の解決方法
1 金額的に折り合いがつかない場合
2 賠償水準の違い
3 損害の評価が違う場合
4 医療過誤の損害評価の特殊性
5 裁判以外の解決方法
Chapter 3 医療過誤と疑われたら
1 患者からの各種申し入れへの対応
1 患者への対応
2 モンスターペイシェントとしての対応が必要な場合
3 患者からの不当要求が問題となったケース
2 カルテ開示申し入れへの対応
1 カルテの開示
2 患者から求められた場合
3 証拠保全手続による場合
3 カルテ記載上の注意点
1 日常の注意点
2 記載を補いたい場合
3 カルテ改ざんが問題となったケース
東京女子医大事件
改ざん+偽証が判明したケース
改ざんが認められたケース
4 交渉,その他の展開
1 医療側の対応
2 カルテ開示,証拠保全後に何も起こらない場合
Chapter 4 医療訴訟を起こされてしまったら
1 医療訴訟とは
2 裁判の流れ
1 提訴(訴訟提起)
2 主張整理
3 証人尋問
4 鑑定
5 和解勧告
6 判決
7 期間
8 控訴,上告
3 医師の登場場面
4 審理の対象
1 事実認定
2 過失の有無
3 因果関係
4 損害
5 立証の程度
6 立証責任
5 医療水準
1 添付文書や文献
2 医療慣行
3 新規の治療法
4 専門分野
6 訴訟における医学知見反映の仕組み
1 医学知見の取得方法
2 医学文献
3 意見書
4 専門委員
5 鑑定
7 費用負担
1 実費
2 弁護士費用
3 訴訟費用の負担
8 裁判の公開と医療訴訟報道
1 裁判の公開
2 公刊される裁判例
3 医療訴訟報道
9 時効
Chapter 5 医療事故からの学び
1 再発防止の必要性
1 再発防止について
2 制度的な取り組み
2 患者の願い
1 医療事故に遭った患者の5つの願い
2 医療者側に望まれる対応のありかた
Part II ケーススタディ
Case 1 総胆管結石術後に急性膵炎を経て糖尿病を併発した事例
Case 2 扁摘の術後出血に気管挿管がうまくいかなかった事例
Case 3 歯科治療中に局所麻酔薬のショックにより死亡した事例
Case 4 肝硬変の治療で生体肝移植についての説明義務が争われた事例
Case 5 脳血管造影検査の後,急性多発性脳梗塞を発症した事例
Case 6 胃全摘術の術後管理上の過失が争われた事例
Case 7 S状結腸切除術後に縫合不全で死亡した事例
Case 8 直腸の吻合部に生じた穿孔により汎発性腹膜炎を起こした事例
Case 9 長期透析患者の椎間固定術後に虚血性腸炎が生じて死亡した事例
Case 10 小児外科手術麻酔導入中に挿管困難に陥り死亡した事例
Case 11 人工膝関節置換術後の血流障害での大腿切断事例
Case 12 IVHカテーテルの感染で多臓器不全となり死亡した事例
Case 13 がんとの診断で乳房切除術を受けた事例
Case 14 未破裂脳動脈瘤への被包術後にてんかん重積発作を起こして死亡した事例
Case 15 妊娠中の卵巣嚢腫摘出術後に発生した肺水腫の事例
Case 16 頭痛で救急搬送され、入院治療中に倒れて死亡した事例
Case 17 人工呼吸器管理を受けている間に褥瘡が生じた事例
Case 18 下肢多発外傷でMRSA感染を併発し治療に難渋した事例
Case 19 低血圧麻酔により不可逆的脳障害を負った事例
Case 20 薬剤師の疑義照会義務について争われた事例
Case 21 心肺蘇生時に併用禁忌の薬剤の使用が争われた事例
Case 22 未承認薬剤の投与で患者本人の同意を得なかった事例
Case 23 突然死の危険性に入院を勧めるべき義務が争われた事例
Case 24 高次医療機関への転送を行う注意義務が争われた事例
Case 25 造影CT検査でショックを起こし死亡した事例
Case 26 胃内視鏡での局所麻酔薬投与直後に心肺停止した事例
Case 27 投薬変更後の狭心症患者が発作を起こし死亡した事例
Case 28 3回目の抗菌薬投与後ショックを起こし死亡した事例
Case 29 人工呼吸管理中の低酸素状態で後遺症が生じた事例
Case 30 抗血小板薬服薬中の患者に内視鏡検査を行った事例
Case 31 呼吸器系感染症の原因菌の特定が遅かった事例
Case 32 肺炎で入院した幼児が翌朝に呼吸停止を来した事例
Case 33 ヘビースモーカーの患者に肺がんの精密検査を怠った事例
Case 34 集団検診のX線写真で陰影の有無が争われた事例
Case 35 産院においてうつぶせ寝の状態で生後2日目に死亡した事例
Case 36 休日当番医の診察1時間後に急変死亡した幼児の事例
Case 37 小児喘息の長期入院治療中に症状増悪で死亡した事例
Case 38 交通事故と医療過誤との共同不法行為が争われた事例
Case 39 一審と二審、三審で判断が異なった事例
Case 40 前医と後医の過失が競合した事例
コラム
ジェネリック医薬品への変更と医師の責任
裁判における謝罪の位置づけ
業務上過失致死傷罪
都立広尾病院事件
捜査と逮捕・勾留
死亡診断と死体検案
医師の応召義務
協力医の選出
鑑定医の仕事と選出方法
カルテの関連法規
請求・判決主文の読み方
被告以外の医師の登場場面
診療ガイドライン
原告の経済的負担と請求額
裁判の場所
日本医師会「医療事故調査に関する検討委員会」
その他の歯科関係の裁判事例
判決文の内容構成
診療科目別にみる医療訴訟件数
インフォームドコンセントと医療訴訟
医療訴訟における診療ガイドライン
争点と判決文が意味するもの
1995年(平成7年)当時の新生児室内でのうつぶせ寝による心肺停止事例
Nakayama Shoten Co., Ltd.