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来日外国人や医療ツーリズム、国境を越え広がる感染症などの増加により、臨床でも国際看護の必要性は高まってきている。そこで本書では、国際看護とは何か、日本では・世界では何が起き・問題となっているのか、看護師にできることは何かを、「文化」「社会」「情報」「教育」の身近な視点からまとめた。国際的看護活動の方法論や実践例なども盛り込まれ、今後、看護師としてどう活動していくのかを考えさせられる。
目次
1章 グローバル看護とは何か
1.グローバル・ヘルス・イシュー (新川加奈子)
国際保健からグローバル・ヘルスへ
人間の安全保障とポストミレニアム開発目標
人口—貧困—環境の悪循環
グローバリゼーション下での先進国と開発途上国の分類
Column 環境問題と国際的な規制 (松田智大)
2.グローバル看護学の概念 (大野夏代)
グローバル看護とは日本を含めた世界で行われるものである
グローバル看護は個別性に対応する力を伸ばす
グローバル看護は日常の看護に必要である
グローバル・ヘルスは自分の課題である
グローバル看護の実践
Column 近未来の社会 (長澤紀美子)
3.グローバル看護の変遷と行方 (近藤麻理)
多様性を尊重する看護0
教育のグローバルスタンダード
看護の移動労働
医療ツーリズム
看護のキャリアパス
2章 異文化・多文化と看護を一緒に考える
1.総論
(1)在日外国人の保健医療 (松尾博哉)
現状と課題
支援策
日本で働く外国人看護師
(2)在外日本人の保健医療 (大野夏代)
在外日本人の推移
渡航先における状況
2.看護の実際と課題
(1)日本で経験する文化の違い:医療機関で働く看護師の立場から (新垣智子)
りんくう総合医療センターにおける外国人医療
医療の考え方の違いとコミュニティにおけるサポート体制
保険医療制度の違いと高度先進医療に対する概念の違い
日本人患者も外国人患者も看護は同じ
(2)日本で経験する医療文化の違いをサポートする (村松紀子)
外国人の医療支援
外国人医療と制度
外国人医療と医療文化
外国人患者は特別な存在ではない
Column 英語が苦手な外国人もいる (村松紀子)
Column ちょっと待って,外国人への注意ワードI (村松紀子)
(3)在外日本人への援助:世界で暮らす日本人のために日本の看護師ができること (大野夏代)
予防対策(渡航者自身に望まれる対策)
セルフケアの援助
重大な健康障害の早期発見
3. 事例
(1)保健医療現場における外国人対応 (有川敦子)
(2)NPOによる在日外国人の医療相談・支援 (高嶋俊男)
(3)留学生における精神的健康:国立大学の事例 (河野公美、新井明日奈、玉城英彦)
(4)在外日本人を対象とする活動 (久津沢りか)
3章 社会制度と看護を一緒に考える
1.総論:社会と看護 (常田美和)
セーフティネットと健康保険制度
貧困と健康格差
社会制度と看護制度の問題
Column スリランカにおけるモノカルチャー経済と茶園労働者の周産期ケア (村松紀子)
2.看護の実際と課題:地域社会のなかでの看護の課題
リプロダクティブ・ヘルス(Reproductive health) (常田美和)
糖尿病と貧困 (神原咲子)
3.事例
(1)救急搬送されてきたペルー国籍の患者 (新垣智子)
(2)インドネシアにおける貧困層の医療:全ての人に医療を (鈴木日和)
(3)グアテマラ先住民のお産事情 (常田美和)
(4)アフリカの伝統的産婆に対する保健行政官の意識と対応 (常田美和)
4章 情報と看護を一緒に考える
1.総論:グローバル看護と情報の利用 (松田智大)
情報の分析に基づいた計画や評価
アプローチの違い
グローバル看護における情報取得・整理の困難
さらなる困難:取得した情報の利用
情報をつなげていくこと
まとめ
2.看護の実際と課題:看護を数字でみる楽しさと難しさ
グローバル看護の実践に必須の方法論である疫学 (菅沼成文)
疫学研究のデザイン (菅沼成文)
倫理性の検討など (松田智大)
データの収集 (松田智大)
情報の理解 (松田智大)
統計分析の必要性 (松田智大)
統計における誤りをなくすために (松田智大)
統計分析の種類 (松田智大)
正規分布をしているかどうか (松田智大)
3. 事例
(1)新型インフルエンザと保健師活動 (有川敦子)
(2)「暮らしぶり」の数え方:日常生活行動とマラリア感染のリスクを考える (駒形朋子)
(3)HIV/AIDS対策における地理情報の活用 (鹿嶋小緒里)
(4)ブータンの妊産婦死亡率の改善と課題 (新川加奈子)
(5)英国の介護(ロングタームケア)のアウトカム評価指標 (長澤紀美子)
5章 教育と看護を一緒に考える
1.総論:未来に必要な教育と看護
健康教育と看護 (神原咲子)
保健教育と看護 (新川加奈子)
ソーシャル・イノベーションの必要性 (長澤紀美子,神原咲子)
Column グローバルな視野をもつ看護師になることは,日本政府の方針でもある (大野夏代)
2.看護の実際と課題:50年後のみすえて今を考える
急激なライフスタイルの変化と健康課題 (神原咲子)
災害の多様化と健康課題 (神原咲子)
教育と健康格差 (常田美和)
将来を担う子どもたちの労働と教育 (常田美和)
3.事例
(1)生活習慣に密着した疾患を教育によって予防する難しさ (神原咲子)
(2)スマトラ沖大地震・インド洋津波の復興と健康課題の現状把握調査 (神原咲子)
(3)難民・国内避難民におけるケアの課題 (NGATU Nlandu Roger)
(4)子どもの健康と環境(エコチル調査) (安光ラヴェル香保子,南まりな,菅沼成文)
6章 国際的看護の活動:グローバルな視点をもった看護実践とは
1.国際協力における看護の役割 (大野夏代)
国際協力とは何か
なぜ国際協力をするのか
国際協力機関の機能と協力の仕組み
国際協力における看護の役割
国際協力における国際的看護活動の方法
Column グローバル看護にかかわる必要性と活動の倫理性 (松田智大)
2.国際的看護活動の実際
(1)モンゴル看護師を対象とした高血圧セミナーの実施 (堀口みゆき)
(2)インドネシアでの妊婦への保健活動:看護の質の向上を求めて (鈴木日和)
(3)被災地医療協力で体験した看護学生との協働 (近藤美智子)
3.外国人看護師の研修受け入れ(人材育成活動) (大野夏代)
受託した青年研修の概要
研修の計画・実施
研修企画にあたっての留意点
評価
所感
7章 「国際的な視野をもつ看護師になる」というチャレンジ
1.国際的看護活動への第一歩
(1)総論:国際的体験と安全対策 (大野夏代)
在学中にできる国際的な体験
渡航時の安全対策
キャリアとしての国際看護
�国際的看護体験の機会の紹介
1)留学 (新川加奈子)
2)保健医療分野で活動をしているNGO・NPO (新川加奈子)
3)スタディツアーに参加して(大学生の感想文) (菊地 彩)
4)WHO地域事務局などでインターンをした体験 (�田洋介)
5)国際協力と私の仕事 (夏目寿彦)
6)国際協力機構(JICA) (上田直子,渡辺 学)
7)国際看護交流協会(INFJ) (塚本三枝子,粕川継廣)
8)国際看護研究会 (大野夏代)
9)国際地域看護研究会 (呉 小玉)
10)日本国際保健医療学会(JAIH) (近藤麻理)
2.世界で活躍する看護師の資質 (大野夏代)
基礎的資質
専門的能力
将来に希望を込めて
付録(課題例)
Nakayama Shoten Co., Ltd.