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ADL(日常生活活動)は人間が自立して生活するために必要な動作である。患者(対象者)の機能障害の程度だけでなく、福祉用具や環境などによっても影響を受ける。
本書では、福祉用具や環境に依存しない基本的な動作だけでなく、福祉用具や環境がADLにどのように影響するかを学習する。
患者(対象者)の個別性を踏まえたADLの指導方法を、実習をとおして具体的に学べるテキストとした。
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目次
LECTURE 1 ADL総論 (長尾 徹)
1.ADLとは
1)ADLの定義と特徴
2)ADLに含まれる動作・活動
3)リハビリテーションの対象としてのADL
2.IADL,APDLとは
3.国際生活機能分類(ICF)とADL
1)ICFにおけるADLの位置づけ
2)ADLの相互依存性と相対的独立性
3)「環境因子」「個人因子」のADLへの影響
4.ADLをリハビリテーションの対象とする場合の注意事項
1)「できるADL」と「しているADL」
2)「できるADL」と「しているADL」の差
3)ADL における問題・課題の抽出
4)目標とするADLの質のステップアップ
Step up
1.ADLの課題を解決するための方策:優先するのは機能回復か代償か
2.介護ロボットの発展がADLを変える
LECTURE 2 ADL評価 (長野 聖)
1.ADL評価の目的と必要性
1)専門職としての必要性
2)制度上の必要性
2.ADLの評価方法(評価指標)
1)バーセルインデックス
2)機能的自立度評価法(FIM)
3)老研式活動能力指標
4)障害老人の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準
5)認知症高齢者の日常生活自立度判定基準
3.ADLの構造(基本的ADLと手段的ADL)
実習
1.紙上患者から推察するFIMの採点
2.移乗動作のADL評価
Step up
1.バーセルインデックスのスコア化のポイント(点数の重みづけの理解)
2.小児のADL評価
LECTURE 3 姿勢・起居移動・床上動作 (北川智美)
1.総論:姿勢・起居移動・床上動作
1)姿勢保持
2)姿勢の種類
3)起居移動・床上動作の定義
4)起居移動・床上動作の意義
5)国際生活機能分類(ICF)からとらえた姿勢・起居移動・床上動作
2.姿勢・起居移動・床上動作の基本事項
1)姿勢の変換
2)寝返り
3)起き上がり
4)床上動作
5)座位
6)立ち上がり
7)移乗
3.評価における留意点
4.障害・疾患における特徴
5.姿勢・起居移動・床上動作への介入
1)寝返りのポイント
2)起き上がりのポイント
3)座位姿勢を保持する方法
4)立ち上がりのポイント
5)移乗のポイント
実習
1.寝返り・起き上がり動作の確認
2.立ち上がり・移乗動作の確認
Step up 各側面からみた移動動作に必要な知識
1)力の特性からみた移動動作
2)神経生理学的側面からみた移動動作
3)心理学的側面からみた移動動作
LECTURE 4 歩行動作と歩行補助具 (木下和昭)
1.総論:歩行動作と歩行補助具
1)ADLと歩行
2)ADLと歩行補助具
3)国際生活機能分類(ICF)からとらえた歩行動作
2.歩行動作の基本事項
1)平行棒内歩行
2)歩行パターン
3)段差昇降パターン
4)坂道での歩行パターン
5)エスカレーターでの歩行パターン
3.歩行補助具の基本事項
1)歩行器と歩行車
2)杖
3)クラッチ
4)杖の高さの調整と使用方法
4.評価における留意点
5.障害・疾患における特徴
6.歩行動作への介入
1)バイタルサインの測定
2)身体機能・能力の把握
3)補助具使用の可否
4)補助具の点検
5)リスク管理
6)環境整備
7)日常生活のアセスメント
実習
1.杖の性能の確認
2.両松葉杖歩行の体験と介助方法
3.T字杖歩行の体験と介助方法
Step up
1.杖の調整と選択
2.ADLに応じた歩行動作
LECTURE 5 移動動作(車椅子移動) (増田基嘉)
1.総論:移動動作(障害者の移動)
1)移動動作をとりまく背景
2)移動における幅員
3)国際生活機能分類(ICF)からとらえた移動動作
2.移動動作(車椅子移動)の基本事項
1)自走
2)介助方法
3)屋外での移動
3.公共交通機関の利用
1)鉄道の利用
2)駅構内を移動する際の注意点
3)車両乗降と車内での注意点
4)バスの利用
4. 自動車の利用
1)乗降
2)車椅子の積み下ろし
3)運転時の姿勢
4)ハンドルおよび手動装置の操作性
5.評価における留意点
6.障害・疾患における特徴
7.視覚障害者の移動介助
実習
1.車椅子の介助方法
2.視覚障害者の介助方法
Step up
1.車椅子利用者が一人で行う段差昇降
2.視覚障害者の介助方法
LECTURE 6 食事動作 (平川裕一)
1.総論:食事動作
1)食事の重要性
2)国際生活機能分類(ICF)からとらえた食事動作
2.食事動作の基本事項
1)知的活動
2)身体動作
3)食事動作に影響を及ぼす要因
3.評価における留意点
4.障害・疾患における特徴
5.食事動作への介入
1)治療・指導方針の検討
2)練習方法の検討
3)自助具の使用
4)装具の使用
実習
1.食事動作に影響を及ぼす要因の検討
2.非利き手での箸の操作の体験
Step up
1.咀嚼,食塊形成,嚥下
2. 喀痰吸引
LECTURE 7 更衣・整容動作 (花房謙一)
1.総論:更衣・整容動作
1)更衣・整容動作とは
2)国際生活機能分類(ICF)からとらえた更衣・整容動作
2.更衣・整容動作の基本事項
1)更衣動作の手順
2)衣服の種類と工夫
3)更衣動作の自助具
4)整容動作の手順
5)整容動作の自助具
3.評価における留意点
1)対象者の背景
2)関節可動域
3)筋力,筋持久力
4)巧緻性
5)高次脳機能障害
6)その他
4.障害・疾患における特徴
1)骨・関節疾患
2)脳血管疾患
3)廃用症候群
5.更衣動作への介入
1)衣服の準備
2)更衣動作の学習効果を高める練習
3)自助具の使用練習
4)転倒に対する注意
5)病棟における更衣動作
6.整容動作への介入
1)使用する道具の準備
2)創傷への配慮
3)自助具の使用練習
実習
1.脳卒中左片麻痺の上衣の更衣動作の体験
2.脳卒中左片麻痺の下衣の更衣動作の体験
Step up
1.動作分析と練習の習熟度
2.動作練習における声かけとタイミング
LECTURE 8 排泄動作 (石浦佑一)
1.総論:排泄動作
1)排泄の重要性
2)排泄のメカニズム
3)国際生活機能分類(ICF)からとらえた排泄動作
2.排泄動作の基本事項
1)排泄動作の方法
2)排泄動作の形態
3)トイレ環境,用具の種類
3.評価における留意点
4.障害・疾患における特徴
1)片麻痺患者の排泄動作
2)脊髄損傷者の排泄動作
5.排泄動作への介入
実習
1.環境や姿勢の変化による排泄動作への影響の考察
2.片麻痺を想定した排泄動作の考察
Step up
1.排泄関連用具に関する利用可能な制度
2.片麻痺におけるベッドとポータブルトイレの設置位置
LECTURE 9 入浴動作 (横井賀津志)
1.総論:入浴動作
1)入浴の重要性
2)入浴の特徴
3)国際生活機能分類(ICF)からとらえた入浴動作
2.入浴動作の基本事項
1)入浴をとりまく活動
2)入浴の工程と動作
3)入浴の形態
3.評価における留意点
4.障害・疾患における特徴
5.入浴動作への介入
1)心身機能の回復を目的とした介入
2)技能習得を目的とした介入
3)環境への適応を目的とした介入
4)教育的介入
実習
1.浴槽内での立ち上がり動作の理解と手すりの提案
2.入浴の工程に沿った浴室内の手すりの設置
Step up
1.脊髄損傷と浴槽への出入り
2.COPD(慢性閉塞性肺疾患)と入浴
LECTURE 10 家事動作 (柴田八衣子)
1.総論:家事動作
1)家事動作とは
2)国際生活機能分類(ICF)からとらえた家事動作
3)家事動作に影響を与える要因と背景
2.家事動作の基本事項
1)食生活に関する家事
2)衣生活に関する家事
3)住生活に関する家事
4)家族に関する家事
5)家庭経営・管理に関する家事
3.評価における留意点
4.障害・疾患における特徴
5.家事動作への介入
実習
1.実際行っている家事動作の項目と要因や背景の確認
2.片手での調理動作(脳卒中片麻痺)の指導方法の検討
3.関節に負担をかけない調理動作(関節リウマチ)の指導方法の検討
Step up
1.片手で皮を?く方法
2.自助,互助,共助からみたさまざまな家事動作支援
LECTURE 11 福祉・日常生活用具 (長尾 誠)
1.総論:福祉・日常生活用具
1)福祉用具の定義
2)「障害者総合支援法」における補装具と日常生活用具の分類
2.福祉・日常生活用具の基本事項
1)福祉・日常生活用具の役割
2)福祉用具の実際
3.障害・疾患における特徴
4.福祉用具の導入
1)評価項目
2)福祉用具の利用目標の設定
3)福祉用具の選定
4)介護保険
実習
1.介護用ベッドの使用方法の確認
2.車椅子の調整方法の確認
Step up
1.車椅子のシーティング
2.移動支援用具の選定のタイミング
LECTURE 12 自助具 (大友健治)
1.総論:自助具
2.自助具の基本事項
1)利用頻度の高い自助具
2)自助具が補完する能力
3.障害・疾患における特徴
1)片麻痺
2)関節リウマチ
3)脊髄損傷
4.自助具による介入
1)ニーズの把握
2)対象者の能力の把握
3)目的動作の分析
4)改善方法の検討
5)自助具の検討
6)自助具の作製
7)試行,効果判定
8)フォローアップ
実習
1.ソックスエイドの作製・使用と調整
2.片麻痺用爪切りの工夫
Step up
1.自助具の知識を得るために
2.自助具の記録
LECTURE 13 住環境整備 (石川 朗)
1.総論:住環境整備
1)概要
2)目的
3)国際生活機能分類(ICF)からとらえた住環境整備
2.住環境整備の基本事項
1)住宅改修における障害と身体的な特性のとらえ方
2)建築学的基礎知識
3.障害・疾患における特徴
4.住環境整備の実施
1)住宅改修の流れと留意点
2)住宅改修の実際
実習
1.平面図での住環境の評価
2.自宅平面図の作成
3.模擬患者による住宅改修
Step up 福祉住環境コーディネーター
LECTURE 14 障害別支援(1)中枢神経・内科系疾患 (細江さよ子)
1.脳血管疾患によるADL 障害とその指導
1)制限される基本動作
2)ADLの指導(基本動作指導を中心に)
2.パーキンソン病によるADL障害とその指導
1)制限される基本動作
2)ADLの指導(基本動作指導を中心に)
3.呼吸器疾患によるADL 障害とその指導
1)制限される基本動作
2)ADLの指導(基本動作指導を中心に)
実習
1.片麻痺患者の寝返り動作の体験と指導
2.片麻痺患者の床からの立ち上がり動作の体験と指導
Step up 脳性麻痺によるADL 障害とその指導
LECTURE 15 障害別支援(2)整形外科系疾患 (一宮 晶)
1.脊髄損傷によるADL 障害とその指導
1)制限される基本動作
2)ADLの指導
2.関節リウマチによるADL 障害とその指導
1)制限される基本動作
2)ADLの指導
3.大腿骨頸部骨折(人工股関節全置換術後)によるADL障害とその指導
1)制限される基本動作
2)ADLの指導
4.変形性膝関節症によるADL障害とその指導
1)制限される基本動作
2)ADLの指導
5.脊椎疾患によるADL障害とその指導
1)制限される基本動作
2)ADLの指導
実習
1.人工股関節全置換術(THA)後の脱臼肢位の理解
2.人工股関節全置換術(THA)後の寝返り動作の指導
3.人工股関節全置換術(THA)後の床からの立ち上がり動作の指導
Step up
1.脊髄損傷による四肢麻痺の車椅子からベッドへの側方移乗
2.対麻痺の床から車椅子への移乗
巻末資料
TEST 試験 (長尾 徹・長野 聖)
索引
Nakayama Shoten Co., Ltd.