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東京の街には,江戸の昔を偲ぶに足る史跡が多い.江戸時代,あるいは明治年間の地図を手にしながら現代の東京を巡ると,昔の街並みが比較的容易に見えてくる.しかも,天災や火災,そして戦争により繰り返された大規模な破壊にもかかわらず,その街並みの中には,医学・医療に関係する多くの史跡が残されている.
本書は東京で生まれ育ち医師として多くの時間を過ごした著者が,今日の日本の医療の原点とも言うべき数々の医学的史跡を訪れ,江戸時代から明治時代にかけてのわが国の医学の歴史を振り返るとともに先人達に思いを寄せた記録である.
【訪ねた場所】
延命寺,小塚原回向院,矢来公園,石町時の鐘,目黒不動,栄閑院(猿寺),愛宕神社出世の石段,月桂寺,城官寺,江島杉山神社,迎接院,小石川植物園,お玉ヶ池種痘所跡,大正寺,天龍院,総禅寺(摠禅寺),高林寺,今戸神社,蕃書調所跡,薬研堀不動院,念速寺,上野恩賜公園,小石川植物園,谷中霊園,天王寺墓地,染井霊園,祥雲寺,青山霊園,雑司ケ谷墓地,豪徳寺墓地,東京女子医科大学発祥の地 ほか多数
【関連する人物】
杉田玄白,前野良沢,目黒道琢,宇田川玄真,大槻玄沢,桂川甫周,多紀元孝,ボードウィン,フルベッキ,松本良順,尾台榕堂,青木昆陽,小野蘭山,川路聖謨,伊東玄朴,大槻俊斎,緒方洪庵,佐藤泰然,佐藤尚中,高松凌雲,曲直瀬玄朔,遠田澄庵,高木兼寛,メアリー・トゥルー,荻野吟子,高橋瑞子 ほか多数
著者撮り下ろしのカラー写真多数掲載[ペーパーバック版の掲載写真はモノクロとなります]
目次
第一章 西洋医学の導入
其の一 骨ヶ原刑場跡と観臓記念碑
其の二 杉田玄白の足跡
其の三 江戸蘭学の始まり
其の四 蘭学発祥の地
其の五 桂川甫周屋敷跡と前野良沢の墓
其の六 玄白先生墓所と愛宕山
第二章 伝統医学の跡を辿る
其の一 醫學館の誕生
其の二 多紀家の人々
其の三 徳川将軍の鍼治療師たち
其の四 本草学と小石川養生所
其の五 花のお江戸のハーレー街
第三章 種痘所から大学東校へ─西洋医学の実践と教育
其の一 蘭方医の活躍-大槻玄沢と宇田川玄真
其の二 種痘所開設
其の三 種痘所再興と伊東玄朴
其の四 種痘所から医学所へ
其の五 西洋医学教育と松本良順
其の六 医学校兼病院から大学東校へ
第四章 伝統医学から西洋医学へ
其の一 順天堂の設立
其の二 フォン・ジーボルトの子供たち
其の三 ドイツ医学の導入
其の四 東京医学校の誕生
其の五 幕末の漢方医たち
其の六 谷中に眠る名医たち
其の七 江戸の名医墓参
第五章 私立医科大学と女性医師の誕生
其の一 長谷川泰と濟生學舎
其の二 英語による医学教育
其の三 脚気との闘い
其の四 看護教育の始まり
其の五 青山霊園をめぐる
其の六 日本赤十字社の設立
其の七 女性医師の誕生
其の八 東京女医学校開校
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