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起立性調節障害(OD)は,思春期の小児科受診者の約6%を占める圧倒的に多い疾患である.本書では,ODの診療や研究を行っている小児科医だけでなく,神経内科医,心療内科医,耳鼻科医,精神科医,臨床心理士など幅広い分野の専門家による最先端の知識を紹介している.また,ODの治療では保護者や学校の対応も重要であるが,その難しさがそれぞれの視点から赤裸々に語られており,診療に役立つ.
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目次
特別寄稿 ODと日本の文化
1章 概要
起立性調節障害(OD)とは
ガイドラインの概要
2章 疫学
ODの発症頻度と近年の増加
3章 成因
心身症としての心理社会的背景
ODにおける心身相関
ストレスと起立性低血圧—ラットの実験系
ODと遺伝子多型
4章 OD研究の歴史
海外での研究の歴史と現状
日本での研究の歴史と現状
5章 基本的な症状
小児のODの症状について
6章 病態生理
起立に伴う循環変化と圧受容器反射による調節
起立循環反応における自律神経の役割
起立時の脳循環反応
自律神経機能—心拍変動の日内リズム
ODにみられる心電図変化の意味
ODにみられる末梢循環調節不全—血管内皮機能
併存病態
ODと不登校との併存
睡眠障害
7章 診断
鑑別診断
除外すべき各種基礎疾患と検査法
失神をきたす心疾患
精神疾患
検査法
健常児の循環反応
起立試験
ガイドラインの新起立試験の方法
サブタイプの概説
起立直後性低血圧
体位性頻脈症候群(POTS)
神経調節性失神(NMS)
「心身症としてのOD」診断法
失神で受診した患者の鑑別診断
診断上の問題点
起立試験の日内変化
8章 類縁病態
宇宙飛行後のOD
小児慢性疲労症候群(CCFS)—睡眠障害を含む
ODの頭痛と他の頭痛の見極め
成人の体位性頻脈症候群
成人のODとその近縁病態
耳鼻科領域のODの特徴
9章 治療・対応
説明・説得療法
日常生活上の工夫
水分摂取、塩分補給の重要性
治療装具
ODバンド
学校との連携
保護者の立場から希望すること
ODの生徒への支援—養護教諭の立場から
プライマリケア医や校医の役割
環境調整
家族関係の変化とその対応
薬物療法
ガイドラインに基づいた薬物療法
思春期の心理療法
保護者ガイダンス(3つの言葉)
診療報酬
10章 経過・予後
経過と予後
思春期における起立時循環反応の縦断的変化
精神科専門医への紹介
11章 治療困難例への対応
専門医による治療
難治性ODの治療
精神症状を伴うケースへの薬物治療
入院治療適応の具体例
不登校・ひきこもりを伴うケースへの対応
12章 医学教育
OD診療のレジデント教育の意義
13章 NBMからみたODの治療
長期不登校から脱出した患者と保護者のNBM
ODに対する全人医療とは
ODに対する「メンタルアソシエーツ」の試み
Nakayama Shoten Co., Ltd.