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精神科治療薬を自家薬籠中の物としたクリニックの医師が、常識にとらわれず、真に治療へと結びつく処方の実際を開陳した1冊。
単なる薬剤の紹介に終始するのではなく、数世代にまたがる薬物間の比較や、複数の精神疾患をふまえた記述など、広い視野に立って記載されており、クリニックで実践する際に必要なポイントが一読にして掌握できる。あわせて身体療法についても紹介した。
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目次
Ⅰ 薬物療法
A 精神科薬物療法の基本―思想,原理,方法論
クリニックでの精神科診療と薬物療法―有効性と必要性,問題点と対策 (石井一平)
ネオヒポクラティズムとレジリエンス―回復論的な治療思想と実臨床 (多田光宏,内田裕之,八木剛平)
受容体から向精神薬治療を考える (融 道男)
受容体プロフィールと副作用の関係 (長嶺敬彦)
効果の評価―主観体験,客観所見,評価尺度,検査所見 (南海昌博)
副作用の評価―副作用を薬物の神経伝達物質に及ぼす影響から理解する (多田幸司)
患者・家族への処方内容の説明の工夫 石井一平
「体質学」,「身体力動学」からみた精神医学の陥穽―現代精神医療における「官能的評価」の可能性 (熊木徹夫)
プラセボ効果とノセボ効果 (辻 敬一郎)
「血中濃度」の観点からの向精神薬治療法について (立山萬里)
薬物療法ガイドラインの上手な利用法 (山田和夫,山田和惠)
薬剤情報の上手な集め方と利用法 (仙波純一)
薬剤師・院外薬局との協働―関係を育てる作法,役割分担,生じやすい問題と対策 (高桑光俊,山田真弓)
B 処方決定のプロセスと実例
初回処方のコツ (貝谷久宣)
処方修正のコツ (姫井昭男)
シンプルな処方を実現するコツ (藤堂直之)
スムーズな減薬と中止のコツ (菊地俊暁)
「引く」薬物療法 (田島 治)
妊娠・出産・産褥期と薬物療法 (松島英介)
デポ剤の利用法 (肥田裕久)
漢方薬の利用法 (杵渕 彰)
患者・家族とのQ&A集―言葉に隠された意味を感じ取る (松﨑博光)
C 精神科薬物療法の問題点と対策
抗うつ薬の効果を最大化する―3タ雨乞い療法の超克 (井原 裕)
「多剤大量投与の実情」と「指針(厚労省)に準じた向精神薬の減量」 (吉尾 隆)
薬物依存 (西山 仁)
無告知投薬の実態とその是非 (森山成杉木)
薬物療法と製薬企業―私たちは健全な二重見当識をもとう (高木俊介)
精神療法と薬物療法の併用の必要性と有効性 (加藤隆弘)
精神療法と薬物療法のほどよいブレンド (中嶋 聡)
D 精神科薬物療法をめぐるエッセイ
双極性障害の薬物療法・雑感 (斎藤 環)
アモキサピン少量投与について (高井昭裕)
新規抗うつ薬と私 (古沢信之)
選択できない精神科医療における薬物療法―医療と医学のあいだで考えること (白潟光男)
クスリの思い出 (山登敬之)
薬剤性QT延長症候群はオオカミ少年か? (村川裕二)
Ⅱ 身体療法
精神栄養学―食事療法とサプリメントの利用 (功刀 浩)
反復経頭蓋磁気刺激 (中島 亨,鬼頭伸輔)
高照度光療法 (碓氷 章,井上雄一)
運動療法 (鈴木 宏)
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