超高齢社会と診断技術の進歩により患者数が増加している膵・胆道疾患はもはやまれな疾患ではない．
消化器専門医の責務として，増えつづける膵癌，胆道癌などの悪性腫瘍，重症化すると死亡率が上昇する急性膵炎，胆石症による胆嚢炎・胆管炎，悪性化の評価が難しい膵嚢胞性腫瘍，IgG4関連疾患と位置づけられる自己免疫性膵炎については，十分な知識と診断・治療法を知っておく必要がある．

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目次

Ⅰ章　膵・胆道疾患総論
　膵疾患の疾患概念
　　急性膵炎とその合併症　（真弓俊彦，大坪広樹，甲村　稔）
　　慢性膵炎とその合併症　（下瀬川　徹）
　　自己免疫性膵炎　（岡崎和一）
　　膵癌　（村田泰洋，伊佐地秀司）
　　膵嚢胞性腫瘍　（中里徹矢，鈴木　裕，杉山政則）
　　膵神経内分泌腫瘍　（植田圭二郎，伊藤鉄英）
　胆道疾患の疾患概念
　　胆嚢炎，胆管炎　（伊佐山浩通）
　　胆石症　（大屋敏秀，田妻　進）
　　胆道癌　（加藤　厚，宮崎　勝）
　疫学　（清水敦史，岡田健一，山上裕機）
　病態生理
　　膵炎の発症機序　（正宗　淳）
　　膵外分泌不全の病態　（丹藤雄介）
　　膵性糖尿病の病態　（河邉　顕，伊藤鉄英）
　　膵・胆道癌の発症・進展機序　（古川　徹）
　　胆石の形成機序　（正田純一）
　　胆嚢炎と胆管炎：発症機序，病態，臨床像　（伊佐山浩通）

Ⅱ章 検査・診断
　鑑別診断の進め方　（廣田衛久，下瀬川　徹）
　検体検査
　　一般検査と血清膵酵素値　（成瀬　達）
　　消化管ホルモン，膵ホルモン　（清水京子）
　　免疫検査　（川　茂幸）
　　腫瘍マーカー　（濱田　晋，正宗　淳，下瀬川　徹）
　画像診断
　　CT，MRI　（米田憲秀，蒲田敏文）
　　超音波検査　（山本健治郎，糸井隆夫）
　　超音波内視鏡検査　（大野栄三郎，廣岡芳樹）
　　ERCP　（宮川宏之）
　　POCS，PTCS　（露口利夫，杉山晴俊，酒井裕司）
　　PET　（村上康二）
　生理学的検査
　　膵外分泌機能検査　（丹藤雄介）
　　膵内分泌機能検査　（菊田和宏）
　病理組織学的検査
　　細胞診検査　（花田敬士）
　　内視鏡下生検　（木田光広，岩井知久，今泉　弘）
　　超音波内視鏡下穿刺針生検（EUS-FNA）　（山部茜子，入澤篤志）

Ⅲ章　治療法総論
　薬物療法
　　膵炎治療薬　（阪上順一）
　　膵消化酵素補充療法　（石黒　洋）
　　膵性糖尿病治療薬　（河邉　顕，伊藤鉄英）
　　胆石治療薬　（菅野啓司，田妻　進）
　　抗菌薬　（菅野　敦，正宗　淳，下瀬川　徹）
　　抗癌剤　（古瀬純司）
　内視鏡的乳頭括約筋切開術（EST），バルーン拡張術（EPBD）　（真口宏介）
　体外衝撃波結石破砕療法（ESWL）　（乾　和郎，山本智支，三好広尚）
　ステント留置術　（峯　徹哉）
　外科手術　（海野倫明）
　内視鏡手術（膵嚢胞ドレナージ，ネクロセクトミー）　（安田一朗）

Ⅳ章　治療法各論
　膵疾患
　　急性膵炎，重症急性膵炎（竹山宜典）
　　慢性膵炎　（正宗　淳，下瀬川　徹）
　　自己免疫性膵炎　（神澤輝実，来間佐和子，千葉和朗）
　　膵癌　（村田泰洋，伊佐地秀司）
　　IPMN/MCN　（伊達健治朗，大塚隆生，中村雅史）
　　その他の膵嚢胞性腫瘍　（穴澤貴行，高折恭一，増井俊彦，上本伸二）
　　膵神経内分泌腫瘍　（土井隆一郎）
　胆道疾患
　　胆石症　（菅野啓司，田妻　進）
　　胆道炎（胆嚢炎，胆管炎）　（伊佐山浩通）
　　胆嚢コレステロールポリープ　（糸永昌弘，北野雅之）
　　胆嚢腺筋腫症　（宅間健介，五十嵐良典）
　　胆嚢癌　（海野倫明）
　　胆管癌　（尾上俊介，江畑智希，梛野正人）
　　十二指腸乳頭部癌　（平野　聡，中西喜嗣，田中公貴）
　　原発性硬化性胆管炎（PSC）　（滝川　一）
　　黄色肉芽腫性胆嚢炎　（窪田敬一）
　　膵・胆管合流異常　（伊藤　啓，小川貴央，柾木喜晴）

ミニレクチャー
　遺伝性膵炎　（正宗　淳）
　嚢胞性線維症　（石黒　洋）
　遺伝性膵癌　（高折恭一）
　癌幹細胞　（佐藤賢一）
　膵・胆道癌の免疫療法　（宮澤基樹，山上裕機）
　膵島移植　（後藤昌史）
　IgG4関連疾患　（神澤輝実，来間佐和子，千葉和朗）
　膵・胆道疾患の各種診療ガイドライン　（吉田雅博）