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呼吸理学療法の考え方や介入方法の変化に対応した内容に刷新。呼吸理学療法のニーズが高まるなか,呼吸器の専門的な知識を有することが求められ,教育現場においても臨床につながる生きた知識を効率よく学ぶことが必須の課題である.
本書は呼吸に関する解剖学的,生理学的知識から具体的な呼吸理学療法の手技に至るまで,臨床での活用を前提に簡潔にまとめた.在学中はもちろん卒後も役立つ内容となっている.
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目次
LECTURE 1 呼吸理学療法総論─呼吸の概念と呼吸リハビリテーションの必要性の理解 (石川 朗)
1.理学療法士が呼吸を学ぶ必然性
2.呼吸の概念
3.酸素運搬過程(ワッサーマンの歯車)
4.ガス交換
1)外呼吸と分圧
2)内呼吸
5.呼吸不全の定義と基準
6.呼吸リハビリテーション総論
1)定義と概念
2)チーム医療
7.呼吸理学療法総論
1)定義と概念
2)対象疾患
3)呼吸理学療法の進め方
Step up
1.呼吸リハビリテーションの目的と効果,EBM
2.呼吸=生きること
LECTURE 2 呼吸器系の解剖学・運動学 (玉木 彰)
1.呼吸器系の解剖学
1)上気道
2)下気道
3)気管
4)気管支の分岐
5)肺胞
6)肺の解剖と体表から見た位置
7)肺循環系の解剖
2.胸郭の構造
1)胸郭
2)胸腔
3)縦隔
4)骨・関節
3.呼吸運動のメカニズム
4.胸郭の運動学
Step up
1.体表解剖の理解
2.肺の体表解剖のランドマーク
LECTURE 3 呼吸器系の生理学 (玉木 彰)
1.換気とガス交換
1)換気とは
2)ガス交換(拡散)とは
2.呼吸運動のメカニズム
3.呼吸リズムの調節
4.呼吸の化学的調節
5.呼吸の機械的調節
6.動脈血液ガスの評価
1)血液ガスとは
2)血液ガスに関する用語
3)血液中の酸素の量
4)分圧とは
5)動脈血液ガスの基準値
6)動脈血酸素化能の指標
7)換気能の指標
8)酸塩基平衡の指標
9)PaO2やPaCO2の値に影響する因子
10)ヘモグロビン酸素解離曲線
11)動脈血液ガスの基本的な解釈の仕方
7.呼吸機能の評価
1)目的
2)種類
8.肺年齢
Step up
1.呼吸にかかわる物理学
2.例題
LECTURE 4 呼吸不全の病態と呼吸器疾患 (玉木 彰)
1.呼吸不全とは
2.酸素化不全と換気不全
1)酸素化不全(ガス交換障害)
2)換気不全
3.急性呼吸不全と慢性呼吸不全
4.呼吸不全を呈する代表的な疾患
1)COPD(慢性閉塞性肺疾患)
2)肺結核後遺症
3)間質性肺炎
4)気管支喘息
5)肺炎
6)無気肺
Step up
1.COPDの疫学
2.COPDに対する薬物療法
LECTURE 5 呼吸理学療法のための評価(1)-医療面接(病歴聴取,問診)とフィジカル・アセスメント (玉木 彰)
1.呼吸理学療法における評価の目的
2.医療面接(病歴聴取,問診)の必要性
3.フィジカル・アセスメントの目的
4.フィジカル・アセスメントの実際
1)視診
2)触診
3)打診
4)聴診
Step up
1.努力呼吸症状のいろいろ
2.異常呼吸の評価と呼吸困難の臨床的評価
3.ラ音の特徴と発生機序
LECTURE 6 呼吸理学療法のための評価(2)-その他の評価法 (玉木 彰)
1.運動耐容能の評価
1)運動負荷試験の目的
2)運動負荷試験の適応,禁忌
3)運動負荷試験の種
2.四肢筋力の評価
1)主観的評価法
2)客観的評価法
3.呼吸筋力の評価
4.ADLの評価
1)包括的ADL評価表
2)疾患特異的ADL評価表
5.QOLの評価
1)包括的健康関連QOL 評価表
2)疾患特異的健康関連QOL評価表
6.画像所見の評価
1)胸部X写真
2)胸部CT
3)異常所見(肺野の異常陰影)
Step up
1.栄養状態の評価
2.心理状態の評価
LECTURE 7 呼吸理学療法基本手技(1)-コンディショニング (玉木 彰)
1.呼吸理学療法におけるコンディショニングの位置づけ
2.コンディショニングの種類と目的
3.リラクセーション
1)リラクセーションはなぜ必要か
2)リラクセーションの適応
3)リラクセーションの禁忌
4)リラクセーションを行うために必要なこと
5)リラクセーション手技の種類
4.呼吸練習
1)口すぼめ呼吸
2)横隔膜呼吸
3)器具を用いた呼吸練習
5.呼吸筋トレーニング
1)呼吸筋トレーニングの目的
2)呼吸筋トレーニングの適応・禁忌
3)呼吸筋トレーニングの方法
Step up
胸郭可動域トレーニング
LECTURE 8 呼吸理学療法基本手技(2)-排痰法・排痰で用いる徒手的手技 (玉木 彰)
1.排痰法とは
2.排痰の目的
3.排痰を必要とする患者(対象)
4.排痰に必要な要素
5.排痰法の歴史的変遷
6.排痰法の実際
1)体位排痰法(体位ドレナージ)
2)呼吸法を用いた排痰法
3)徒手的排痰手技
4)咳嗽,ハフィング
5)咳嗽介助手技
Step up
1.気管圧迫法
2.腹部圧迫による咳嗽介助手技
3.器具(器械)を用いた排痰法
LECTURE 9 呼吸理学療法基本手技(3)-呼吸困難改善のための手技 (玉木 彰)
1.呼吸困難とは
2.呼吸困難の発生機序
1)呼吸努力感による因子
2)末梢化学受容器からの求心性入力による因子
3)中枢-末梢ミスマッチによる因子
4)その他の因子(心理社会的要因,精神的要因)
3.呼吸困難が身体機能に与える影響
4.呼吸困難への対策と方法
1)換気需要の減少
2)吸気機能の改善
5.気管支喘息重積発作時の呼吸介助法
1)胸郭外胸部圧迫法とは
2)胸郭外胸部圧迫法のポイント
3)胸郭外胸部圧迫法の実際
Step up
1.パニックコントロールとは
2.パニック時の対策法
3.パニックコントロールとして用いる呼吸介助手技の実際
LECTURE 10 呼吸理学療法基本手技(4)-運動療法 (玉木 彰)
1.呼吸リハビリテーションと呼吸理学療法
2.呼吸リハビリテーションにおける運動療法の目的と意義
3.慢性呼吸不全患者の骨格筋機能障害
1)筋力低下
2)筋の組織学的構造変化
4.骨格筋機能障害に対する運動療法の有効性の根拠
5.運動療法の適応と禁忌
6.運動療法実施のための評価
7.運動療法の実際
1)運動療法開始にあたって
2)運動処方
8.ADLトレーニング
9.呼吸体操
Step up
1.薬物療法と運動療法の併用
2.運動療法中の非侵襲的陽圧換気の利用
3.運動強度を決めるための評価法
LECTURE 11 酸素療法と呼吸理学療法 (玉木 彰)
1.酸素療法とは
2.酸素療法の目的
3.酸素療法の開始基準
4.酸素療法の実際
1)低流量システム
2)高流量システム
3)リザーバーシステム
4)その他
5.酸素療法における注意事項
1)火気厳禁
2)接続部からの酸素漏れ
3)副作用
6.酸素療法の合併症
1)呼吸中枢の抑制
2)酸素中毒
3)未熟児網膜症
4)無気肺
7.在宅酸素療法
1)在宅酸素療法とは
2)在宅酸素療法の歴史と疫学
3)在宅酸素療法の適応基準
4)酸素供給装置
8.運動療法中における酸素吸入の意義,効果
1)低酸素血症における運動制限の要因
2)酸素投与の生理学的効果
3)運動時低酸素血症の評価
4)運動療法中の酸素吸入の実際
Step up
1.在宅酸素療法の効果
2.在宅酸素療法における社会保障制度
3.呼吸不全患者が飛行機を利用する場合
LECTURE 12 人工呼吸療法と呼吸理学療法 (玉木 彰)
1.人工呼吸器とは
2.人工呼吸器の原理
1)陽圧式人工呼吸療法
2)胸郭外陰圧式人工呼吸療法
3.人工呼吸器が生体に与える影響
1)換気分布に与える影響
2)循環動態に与える影響
3)中心静脈圧に与える影響
4)腎臓に与える影響
5)胃に与える影響
6)神経系に与える影響
4.人工呼吸器の基本構造
1)人工呼吸器の設定
2)人工呼吸器の基本的なモード
5.人工呼吸による弊害
1)人工呼吸器関連肺炎(VAP)
2)気道粘膜の損傷や声帯麻痺
3)加温・加湿機能の低下による問題
4)人工呼吸器誘発性肺傷害
6.人工呼吸管理中の呼吸理学療法
1)人工呼吸管理中の呼吸理学療法の目標
2)人工呼吸管理中の呼吸理学療法の実際
Step up
1.人工呼吸器からの離脱(ウィーニング)
2.人工呼吸器関連肺炎(VAP)に対する予防
LECTURE 13 疾患別呼吸理学療法(1)-慢性呼吸不全 (玉木 彰)
1.慢性呼吸不全とは
2.慢性呼吸不全となる疾患
3.慢性呼吸不全患者に対する呼吸理学療法の目的
4.COPDと呼吸理学療法
1)COPDの病態と問題点
2)COPD患者の運動制限因子
3)COPD患者の運動時の肺気量変化
4)肺気量と呼吸困難
5)COPD患者に対する各病期における治療戦略
6)COPD患者に対する呼吸リハビリテーションの考え方
7)COPD患者に対する呼吸リハビリテーションのポイント
8)COPD患者に対する呼吸リハビリテーションの実際
5.肺結核後遺症と呼吸理学療法
1)肺結核の病態と症状
2)肺結核後遺症の問題点
3)肺結核後遺症患者の運動耐容能が低下する要因
4)肺結核後遺症患者に対する呼吸理学療法の実際
6.間質性肺炎と呼吸理学療法
1)間質性肺炎の病態と症状
2)間質性肺炎患者の運動制限因子
3)間質性肺炎患者に対する呼吸理学療法の考え方
4)間質性肺炎患者に対する呼吸理学療法の実際
Step up
COPD患者の生命予後に影響する因子
LECTURE 14 疾患別呼吸理学療法(2)-急性呼吸不全(外科手術前後) (玉木 彰)
1.急性呼吸不全の病態
2.急性呼吸不全に陥る原因
3.外科手術が生体に与える影響
1)術後になぜ低酸素血症(PaO2の低下)になるのか
2)麻酔が生体に与える影響
3)外科手術が呼吸機能に与える影響
4)外科手術による生体への侵襲
5)手術侵襲による循環器系への影響
4.外科手術におけるリスクファクター(危険因子)
5.外科手術後に発生する呼吸器合併症
6.外科手術前後の呼吸理学療法
1)術前介入の目的
2)術前評価
3)術前指導
4)周術期呼吸理学療法の目的
5)術後介入の実際
Step up
1.重症患者の筋力低下(ICU-AW)
2.ABCDE バンドル
LECTURE 15 吸引 (玉木 彰)
1.呼吸理学療法における吸引の意義および注意点
2.理学療法士の吸引に対する許可の経緯
3.吸引のための基礎知識
1)鼻腔,口腔,咽頭,気道の解剖
2)吸引が生体に与える影響
3)標準予防策(スタンダード・プリコーション)
4)気管挿管
4.吸引の実際
1)気管吸引実施者の要件
2)気管吸引の目的と適応
3)気管吸引の適応となる患者と状態
4)気管吸引実施までの流れ
5)気管吸引に必要な物品
6)開放式気管吸引の手順
7)閉鎖式気管吸引の手順
8)口腔内・鼻腔内吸引の手順
TEST 試験 (玉木 彰)
索引
Nakayama Shoten Co., Ltd.