小 計 | 0 円 | ||
消費税 | 0 円 | ||
合 計 | 0 円 |
神経障害理学療法学の特徴は,「脳」の障害を対象としているところにある.
そして,脳の皮質レベルの損傷はその部位によってさまざまな問題が生じるため,理学療法を展開するためには脳の機能局在と脳血管の走行を徹底的に理解する必要がある.
改訂にあたり,解剖-生理の知識を整理しなおし,脳の機能と運動障害の関係、片麻痺症状に対する理学療法について,より効果的に学習できる構成とした。
関連書籍
目次
LECTURE 1 神経障害理学療法総論 (大畑光司)
1.はじめに
2.中枢神経の構造と機能
1)神経細胞の構造と機能
2)中枢神経の構造と機能
3.中枢神経損傷の病態
1)脳損傷
2)脊髄損傷
4.中枢神経損傷からの機能回復
1)脳損傷からの機能回復の機序
2)機能的再組織化と脳の可塑性
5.機能回復のための課題特異的トレーニング
1)使用依存性の回復
2)運動学習の原則
Step up
1.脳血管障害と実際の脳の損傷部位との違い
2.損傷部位と機能障害の関連
3.背景因子の考察
4.神経障害理学療法に求められる能力
LECTURE 2 脳の機能と構造(1)運動 (大畑光司)
1.大脳皮質の運動関連領域
1)運動関連領域の位置と構成
2)一次運動野
3)運動前野
4)補足運動野
2.大脳基底核と小脳
1)大脳基底核
2)小脳とその役割
3.脳からの運動性下行路
1)皮質脊髄路
2)錐体外路
4.運動ニューロン
1)α運動ニューロン
2)γ運動ニューロン
3)運動単位
5.脊髄運動回路
1)伸張反射経路
2)屈曲反射経路
3)脊髄の中枢パターン発生器
Step up
1.一次運動野
2.背側運動前野
3.腹側運動前野
4.補足運動野
LECTURE 3 脳の機能と構造(2)感覚,脳血管の走行と灌流領域 (阿部浩明)
1.感覚とは
2.感覚の種類
3.感覚の検査法
1)触覚検査,痛覚検査
2)温度覚検査
3)関節覚の検査
4)振動覚の検査
4.体性感覚の経路
1)後索路(内側毛帯路,後索-内側毛帯路)
2)脊髄視床路(外側脊髄視床路,前脊髄視床路)
3)三叉神経視床路
4)脊髄小脳路
5.感覚野
1)一次体性感覚野
2)頭頂葉と二次体性感覚野
3)身体図式の基盤
6.姿勢定位と各種感覚情報との関連
1)姿勢定位
2)垂直判断
7.脳における血管の走行と灌流領域
脳の主幹動脈
Step up
1.脳血管造影による各動脈の把握
2.各種脳動脈の閉塞と臨床症状
LECTURE 4 脳血管障害 (阿部浩明)
1.脳血管障害とは
2.脳血管障害の分類
3.脳血管障害の疫学
4.脳卒中の病態と治療
1)脳出血
2)脳動静脈奇形からの頭蓋内出血
3)くも膜下出血
4)脳梗塞
5.脳卒中の医学的管理とリスク管理
1)脳出血
2)くも膜下出血
3)脳梗塞
Step up
脳卒中に共通するリスク
LECTURE 5 その他の脳損傷疾患 頭部外傷,脳腫瘍,低酸素脳症 (久保田良)
1.頭部外傷
1)発生メカニズムによる分類
2)外力からみた分類
3)頭部外傷の臨床的分類
4)頭部外傷の臨床症状
2.脳腫瘍
1)分類
2)種類
3)臨床症状
4)脳腫瘍と緩和ケア
3.低酸素脳症
1)分類
2)症状
Step up (阿部浩明)
臨床で理学療法士が眼にする頻度の高い脳画像の種類と特性
LECTURE 6 中枢性運動障害の病態 (大畑光司)
1.片麻痺患者に生じる病態
1)運動障害の特徴
2)運動障害の経過
3)運動障害の代償
2.筋緊張異常
1)神経学的原因
2)非神経学的原因
3.筋力低下
1)神経学的原因
2)廃用性筋力低下
4.共同運動と連合反応
1)共同運動
2)連合反応
5.バランス機能
1)姿勢の定位
2)姿勢の制御
6.運動耐容能
Step up
1.学習性誤用
2.筋力に対する筋緊張増加による代償
3.代償運動を理解しなければいけない理由
LECTURE 7 中枢性運動障害に対する評価(1)機能障害(impairment) (脇田正徳)
1.評価の目的と意義
2.評価の実際
1)意識障害の評価
2)総合評価(包括的評価)
3)運動麻痺
4)感覚障害
5)協調性の障害
6)筋緊張異常
7)病的反射
Step up
1.どの評価指標を用いるか?
2.体幹機能の評価
LECTURE 8 中枢性運動障害に対する評価(2)活動・参加(activity/participation) (脇田正徳)
1.評価の目的と意義
2.評価の実際
1)ADLの評価
2)バランスの評価
3)歩行の評価
4)「参加」の評価
5)臨床における評価の意義
Step up
1.バランス評価の問題点
2.歩行速度,持久力と歩行の自立度との関係
3.転倒恐怖感
LECTURE 9 脳卒中後片麻痺に対する理学療法(1)一般的トレーニングと課題特異的トレーニング (大畑光司)
1.脳卒中後片麻痺患者に対する一般的なトレーニング
1)局所的な機能障害に対するアプローチ
2)全身的な機能障害に対するアプローチ
2.脳卒中後片麻痺患者に対する課題特異的トレーニング
1)課題指向型トレーニング
2)さまざまな学習デザイン
3.脳卒中後片麻痺患者に対する歩行トレーニング
1)片麻痺歩行の特性
2)片麻痺歩行の改善のためのトレーニングの実際
Step up
機能的再組織化に求められる運動学習の性質
LECTURE 10 脳卒中後片麻痺に対する理学療法(2)装具療法,機能的電気刺激,電気刺激療法,ロボット治療 (生野公貴)
1.装具療法
1)装具の種類
2)下肢装具の目的
3)短下肢装具の種類と適応
4)長下肢装具の種類と適応
2.機能的電気刺激
1)機能的電気刺激の理論的背景
2)機能的電気刺激の種類
3)機能的電気刺激のエビデンス
3.電気刺激療法
1)刺激パラメータの決定
2)電気刺激の作用メカニズム
3)電気刺激療法のエビデンス
4.ロボットなどとの併用療法
1)ロボット治療の治療メカニズム
2)ロボットの種類
3)ロボット治療の種類
4)下肢用ロボット治療のエビデンス
Step up
ボツリヌス療法
LECTURE 11 脳卒中後片麻痺に対する理学療法(3)合併症 (阿部浩明)
1.麻痺側肩関節の亜脱臼
1)麻痺側肩関節の亜脱臼の病態
2)麻痺側肩関節の亜脱臼と肩関節の疼痛との関連性
3)装具療法
4)機能的電気刺激
5)関節可動域トレーニング
2.視床痛
1)視床痛の病態
2)中枢性疼痛への対応
3.摂食嚥下障害
1)脳卒中患者の摂食嚥下障害とその頻度
2)摂食嚥下の各段階と障害の発生頻度
3)嚥下障害の病態
4)嚥下障害の評価
5)嚥下障害に対する理学療法
4.半側空間無視
1)半側空間無視の病態
2)半側空間無視の背景
3)半側空間無視の病巣
4)半側空間無視の評価
5)半側空間無視に対するアプローチ
5.失行
1)失行の概念
2)失行の分類
3)失行への対応
6.失語
1)主要な失語4 型の分類
2)失語を伴う場合の対応
Step up
病態失認
LECTURE 12 脳卒中後片麻痺に対する急性期の介入 (阿部浩明)
1.急性期脳卒中片麻痺患者に対する理学療法の考え方
1)急性期理学療法の基本的概念
2)どのような理学療法を行うべきか
3)脳卒中理学療法における開始基準
4)脳卒中理学療法における中止基準
2.急性期理学療法の実際
1)ポジショニング
2)起居動作(寝返り,起き上がりから座位)
3)座位
4)立ち上がり,移乗動作,立位
3.pusher 現象
1)pusher 現象とは
2)pusher 現象の評価
Clinical rating Scale for Contraversive Pushing(SCP)/Burke Lateropulsion scale(BLS)
3)pusher 現象に対する理学療法の実際
Step up
1.急性期リハビリテーションのガイドライン
2.回復期リハビリテーションのガイドライン
3.維持期リハビリテーションのガイドライン
4.運動障害・ADLに対するリハビリテーションのエビデンス
LECTURE 13 脳卒中後片麻痺に対する回復期の介入 (中村潤二)
1.脳卒中後片麻痺に対する回復期における理学療法の考え方
2.回復期理学療法の実際
1)痙性麻痺(痙縮)への対応
2)関節可動域トレーニング,ストレッチ
3)電気刺激療法,装具療法
4)バランストレーニング
5)歩行トレーニング
6)階段昇降トレーニング
Step up
脳卒中後片麻痺患者に対する二重課題トレーニング
LECTURE 14 脳卒中後片麻痺に対する理学療法の実際(1)急性期 (阿部浩明)
1.情報収集(事前に収集可能な情報)
1)処方箋からの情報
2)カルテからの情報
3)画像所見からの情報
4)他部門からの情報
2.理学療法評価
1)初回評価(ベッドサイドでの理学療法評価,発症後2 日目)
2)理学療法評価のまとめ
3)問題点の抽出
3.理学療法の方針
1)ベッド上起居動作トレーニング
2)座位保持
3)立位バランストレーニング(リーチ課題)
4.理学療法の経過と再度の目標設定
5.理学療法プログラム
1)寝返り・起き上がり動作トレーニング
2)座位保持の練習(座位でのpusher 現象の抑制)
3)立位バランストレーニング(リーチ課題)
4)歩行トレーニング
5)移乗動作トレーニング
6.最終理学療法評価(回復期病院転院時)
1)神経学的検査
2)起居動作,歩行,ADLの評価
7.まとめ
Step up
1.画像情報の限界
2.長下肢装具の作製
LECTURE 15 脳卒中後片麻痺に対する理学療法の実際(2)回復期 (辻本直秀)
1.情報収集(事前に収集可能な情報)
1)処方箋からの情報
2)カルテからの情報
3)画像所見からの情報
4)他部門からの情報
2.理学療法評価
1)初回評価(ベッドサイドでの理学療法評価,入院初日)
2)理学療法室での評価(入院初日)
3)家族からの情報
4)理学療法評価のまとめ
3.理学療法の方針(理学療法プログラム)
1)立ち上がり動作トレーニング
2)立位バランストレーニング
3)歩行トレーニング
4)段差・階段昇降トレーニング
5)その他の配慮
4.理学療法の経過
1)初回理学療法評価(入院)から1 か月後
2)初回理学療法評価(入院)から2 か月後
3)初回理学療法評価(入院)から3 か月後
4)初回理学療法評価(入院)から4 か月以降
5.最終理学療法評価(自宅退院時,入院から5 か月後)
1)神経学的検査
2)起居動作,歩行,階段昇降の評価
3)バーセルインデックス
6.まとめ
Step up
1.生活期脳卒中患者に対するリハビリテーションの重要性
2.訪問リハビリテーションの実際
3.病院と地域との連携
巻末資料
TEST 試験 (大畑光司)
索引
Nakayama Shoten Co., Ltd.